消防士の高卒と大卒の違い|初任給・昇任・生涯年収を元消防士が解説

高卒と大卒、何が違う?一年先輩の階級を抜いてしまった話 消防士のリアル

💡 この記事でわかること

  • 消防士の高卒と大卒の違い(年齢・試験区分・初任給・昇任)
  • 大卒が高卒の先輩の階級を追い越すことがある理由
  • 高卒と大卒の生涯年収の差と、奨学金を借りてまで大学に行くべきか
  • 高卒で消防士になるメリット

今回は「高卒で入った人と大卒で入った人の違い」というテーマで、元消防士として本音で書いていきたいと思います。

僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。僕自身は大卒で入りました。

高卒で入るのと、大卒で入るのとでは、明確に違いがあります。

消防士の高卒と大卒の違い|年齢・採用試験・初任給

高卒と大卒の違い① 年齢

1つ目は、単純に年齢です。

ストレートで入った場合、高卒なら18、大卒なら22。4つ違います。

専門学校を出ている場合は、短大卒のような扱いになります。

高卒と大卒の違い② 採用試験の区分と難易度

2つ目は、採用試験です。

受ける区分が違います。呼び方は本部によって違いますが、たとえば東京消防庁なら、大卒程度が「消防官Ⅰ類」、高卒程度が「消防官Ⅲ類」です。

中身も違います。高卒の方が、若干簡単です。

大卒程度の試験は、学歴がある前提なので、教養試験の内容が多少難しくなります。

高卒と大卒の違い③ 初任給(東京消防庁は約4万円差)

3つ目は、お金です。

そもそも、初任給が違います。

僕の感覚では、3〜4万円くらいの差でした。

たとえば東京消防庁の令和8年度の初任給は、消防官Ⅰ類(大卒程度)が約32万1,900円、消防官Ⅲ類(高卒程度)が約27万9,400円です。約4万円の差があります。

大卒は昇任が早い|給料と生涯年収の差

高卒と大卒の違い④ 昇任のスピード

お金の差は、初任給だけではありません。昇任のスピードが違います。

僕は大卒で入って、4年目で消防副士長になりました。

同じ年に高卒で入った同期は、そこからさらに2〜3年かかると思います。僕のいた本部では、副士長に上がるまで5年くらいだったかもしれません。

大卒だと、8年目か9年目くらいで消防士長になります。これも僕のいた本部の場合です。

僕は、消防士長になる前に辞めてしまいましたが。

1年先輩の階級を抜いてしまった話

この昇任の差で、こういうことが起きます。

先輩の階級を、追い越してしまうんです。

1年先輩だったとしても、その先輩が高卒で、僕が大卒なら、僕の方が階級が上になってしまうことがあります。

実際に、僕にもありました。

消防の階級と役割|消防士・副士長・士長・司令補

階級の話も、少し書いておきます。詳しくは、また別の記事で書きたいと思います。

消防士は、まだペーペーの新米です。

消防士長になると、隊員として後輩を指導したり、直属の上司になったりします。そういう立場になるのは、消防士長の方が多いイメージです。

消防士長は、小隊のリーダー、隊長を担える権限が発生します。やれる幅が一気に広がるんです。

これが大体、10年目前後です。隊員を管理する、隊員を指導する。そういう面を担っていくことになります。

そこから、消防司令補、消防司令、消防司令長と上がっていきます。

小さい本部なら、消防司令長までしかないところもあります。大きいところなら消防監。東京消防庁なら消防総監まであります。

昇任の差は給料の差になって開いていく

昇任が早いということは、もらえる給料が多いということです。

階級が上がると、給料が少し上がります。1回1回は、微々たるものです。

でも、その差がどんどん開いていきます。

そして、生涯年収が変わってきます。

高卒と大卒の生涯年収の差は約4千万円

大卒と高卒で、生涯年収は結構な単位で変わります。

消防だけの数字ではありませんが、参考までに。労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2024」では、男性が学校を出て60歳まで正社員で働いた場合の生涯賃金(退職金を含まない)は、高卒で約2億1千万円、大卒で約2億5千万円です。

約4千万円の差です。

大学に行くことには、そういう面でのメリットがあります。

奨学金を借りてまで大学に行く必要はあるか

ただ、大学には学費がかかります。

僕の結論はこうです。

入れるなら、入った方がいい。でも、借金してまで無理に入る必要はない。

奨学金は、要は借金です。社会人になってから、毎月返していくことになります。僕は奨学金を借りていないので、実際の返済の感覚は分かりません。ただ、それで生活がカツカツになってしまうことは、あると思います。

もちろん、大学でしか学べないことがある。そこでしかできない部活がある。やりたいことがあるなら、行く価値は全然あります。

特待で入れるなら、お金の面で浮くので、入った方がいいと思います。

高卒と大卒、入ってくる人の違い

高卒で入った同期の特徴|体力があってピュア

ここからは、人の違いです。

大卒の方が、人生経験が4年ぶん多いです。その4年の差は、考え方や行動に表れます。

消防学校に入ると、それが顕著に出ます。

高卒の子は、学生気分があまり抜けていない人が多いです。そして、体力がすごくある。 ピュアな子が、すごく多いです。

今の高卒の子は、昔の僕とは全然違う

ただ、高卒の子も、消防に受かっているんです。教養試験を通っている。

高校を出た頃の自分と比べると、「あ、違うな」という印象があります。

頭が切れる。要領がいい。きちんと話せるし、自分の意見をちゃんと喋れる。

消防は人気職業です。倍率の高いところを突破してきている。そこの違いは、やっぱりあると思います。

大卒は変にプライドがあるやつが多い

逆に、大卒の方は、変にプライドがあるやつが多いです。

僕自身は、プライドもクソもありませんでした。

でも、大卒で年上だから、多少優位に立てる。そう思って、高卒の同期に「甘ったれ」「お前、年下だろ」みたいな感じで接するやつも、もちろん出てきました。

同期なんです。 上下関係もクソもありません。

見ていて、「そんなことしても、しょうがないでしょ」と思っていました。

待遇の差はほぼ昇任だけ|年上は言われやすい

待遇の差は、ぶっちゃけ昇任と給料です。一番はそこだけだと思います。

同期としての扱いは、そんなに変わりません。

ただ、年上の方が言われやすいというのはあります。

年下の同期が訓練で全然できなかったとき。「どうなってんだ」「復習とかしてんのか」と言われるのは、必ず年上です。

年上がリーダーシップを発揮しないといけない。そういう空気があります。これは消防以外でも、あると思います。

高卒の同期に「敬語やめろ」と言った話

僕の高卒の同期の話です。

階級は、僕の方が上でした。でも、ギクシャクすることはありませんでした。

最初に、僕は言ったんです。

「敬語やめろ。同期だろ。これから同期なのに、敬語で来るの?」

そうしたら、その瞬間にタメ口になりました。面白いくらい切り替えが早かった。

僕が年上だったから、多少気を使って敬語だったんだと思います。

それ以降は、本当に仲が良かったです。

高卒で消防士になるメリット|早く社会経験ができる

では、高卒で入るメリットは何か。

早いうちから、社会経験ができることです。これはすごく大きいです。

同級生が短大や専門学校、大学に行っている間に、消防士として働く。同級生と、明確に差がつくものがあると思います。

高卒で入ると身につく「仕事の速度感」

差がつくのは、仕事に対する速度感です。

学生でバイトをしていれば、多少は仕事慣れしていると思います。

でも、バイトとは違う責任が、自分に降りかかってくる。社会人として、それを背負ったうえで、現場で早く動く能力を培う。

これを早いうちに経験できるのは、ものすごく強みになります。そこで、同級生とどんどん差がついていきます。

端的に話す力は、消防を辞めても強みになる

もう一つは、端的に話す能力です。

消防の現場では、無線は「簡潔明瞭」が原則です。

状況を伝える。指示をもらう。指示を受けた内容を返す。どれも、端的に話さないと身につきません。

この端的に伝える能力は、消防を辞めたとしても、必ず強みになると思います。

昇任の年数や給料は本部によって違う

最後に書いておきます。

ここまで書いた昇任の年数は、僕がいた一つの本部での話です。

昇任のスピードも、給料も、試験の区分も、本部によって違います。

ただ、それは実名を出さないと意味のない話です。無料の記事で書けることではないので、有料の記事にまとめました。

元消防士として、実名で書いています。

▼受けるなら、ここだと思う5本部

愛知県で本当に受けるべき消防本部、元消防士が実名で5つ選びました

▼逆に、僕ならすすめない5本部

愛知県で受けない方がいい消防本部、元消防士が実名で5つ書きました

▼社会人から消防士になった人の話は、こちらです

社会人から消防士になるには?受かった6人の特徴と年齢制限を元消防士が解説

▼倍率の話は、こちらに書きました

消防士採用試験の倍率と教養試験|元消防士が語る併願の重要性

よくある質問

Q1. 消防士の高卒と大卒で、初任給はどれくらい違いますか?

本部によって違いますが、たとえば東京消防庁の令和8年度の初任給は、消防官Ⅰ類(大卒程度)が約32万1,900円、消防官Ⅲ類(高卒程度)が約27万9,400円で、約4万円の差があります。

Q2. 高卒と大卒で、昇任のスピードは違いますか?

違います。僕のいた本部では、大卒は4年目で消防副士長、8年目か9年目くらいで消防士長になりました。高卒は副士長に上がるまでにさらに2〜3年かかる印象でした。1年先輩でも、高卒の先輩の階級を大卒の後輩が追い越すことがあります。

Q3. 奨学金を借りてでも大卒で受けた方がいいですか?

入れるなら入った方がいいと思いますが、借金してまで無理に入る必要はないと思っています。返済で生活がカツカツになることもあります。高卒で入れば、早くから社会経験を積めるという大きなメリットがあります。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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