💡 この記事でわかること
- 社会人から消防士になった6人の前職と特徴(接客業・公安系・看護師・教員など)
- 働きながら採用試験に受かった人に共通すること
- 社会人から入ると、新卒と比べて何に苦労するのか
- 年齢制限ギリギリで受ける人が準備しておくこと
今回は「社会人から消防士になった人たち」というテーマで、元消防士として本音で書いていきたいと思います。
僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。
消防には、社会人を経験してから入ってくる人がちらほらいます。
一度働いてから、あらためて消防を目指す。本当の意味で消防に熱意を持った人たちです。僕は素直にすごいと思っていました。
今回は、僕が実際に一緒に働いた6人を紹介しながら、その特徴を書いていきます。
社会人から消防士になった人①〜③|接客業・公安系・看護師
1人目 30前後で入った接客業出身の先輩|年齢制限ギリギリでも受かる
1人目は、年齢制限ギリギリで入ってきた先輩です。
僕が入ったときには10年目くらいで、もう40手前でした。30前後で受験して、30前後で入ってきた方です。細かい年齢は伏せておきます。
前は接客の業界にいた方でした。
この方は、とにかく人望が厚い。
嫌っている人が本当に少ないんです。上司とも折り合いをつけられるし、後輩からも慕われている。同期からも慕われている。悪く言う人がいませんでした。
一生懸命で、仕事に熱意を持っている。一人一人に寄り添う気持ちがすごくある方でした。
自己主張をするタイプではありません。ただ、静かな、熱い気持ちを持っている。もちろん努力もする。
その消防に対する熱い気持ちが、採用試験の面接で伝わったんだと思います。これは僕の個人的な考察です。
人望が厚い先輩は「キーマン」になる
この先輩は、僕がよく書いている「キーマン」にあたる方です。
不器用な方なんですが、努力でなんとかしてきた人でした。
総務課など、事務系の仕事も経験しています。そのおかげか、全体を俯瞰して見る力に長けていました。
グループの中で意見を取りまとめて、「こうした方がいいんじゃないですか」と先輩に言える。
下や同期から上がってきた意見を、忖度せずに上へ持っていく。 ただし、言い方はきちんと考えて、上司に伺いを立てる。
これがすごく上手な方でした。先輩からも可愛がられていました。
僕も本当にお世話になりました。救助大会に出場したときには、ずっとサポートしてもらいました。 感謝の気持ちしかありません。
2人目 公安系出身|頭の回転の速さは教養試験で活きる
2人目は、公安系の仕事をしていた先輩です。
警察、自衛隊、いろいろありますが、公安系とだけ言っておきます。
この方は、ものすごく頭の切れる人でした。 頭の回転がとにかく速い。
この頭の回転の速さは、消防の教養試験に大きく影響すると僕は思っています。
教養試験には、数的推理や判断推理があります。ここで求められるのが、まさに頭の回転の速さです。
この方は、その地頭の良さを十分に発揮して、教養試験を突破したんだと思います。
面接でも、その速さが活きたはずです。志望理由や志望動機を、論理的にスラスラ言える。 自己主張ができる方でした。
もし「頭の回転は速いのに、持て余している」という方がいたら、教養試験の対策をしてみてください。 頭の回転の良さがそのまま武器になる試験です。
この方にも、人生相談をさせてもらいました。すごく有意義な話をした覚えがあります。
3人目 看護師から消防士へ|資格を持った「ザ・消防」の先輩
3人目は、看護系の仕事をしていた先輩です。
もともと看護師の資格を持っていて、その仕事に数年就いてから消防に入りました。たしか専門学校卒だったと思います。
この方は、「ザ・消防」という感じの人でした。
看護師の資格を取ったのも、消防のためだったそうです。もともと救命士になりたかった。人命救助をしたい、社会に貢献したい。そういう人でした。
資格もものすごく持っていました。 大型も、大型特殊も、たしかけん引も持っていたと思います。
けん引から大型まで持っている人は、なかなかいません。
熱い気持ちは面接官に伝わる
この方は、本当にオールマイティーに何でもやる人でした。
上司から何を言われても「はい、やります」。前向きに取り組む姿勢が、本当にすごいと思っていました。
そして、後輩思いでした。僕がやりたいことにも付き合ってくれた。後輩のために動ける方でした。
僕が消防でやっていけたのも、この方のおかげだと思っています。
こういう熱い気持ちを持った人は、強いと思います。
それは面接官にも伝わります。それに、熱い気持ちは勉強のモチベーションにもつながります。
社会人から消防士になった人④〜⑥|教員・救助志望・民間
4人目 教員から消防士へ|説明がうまい上司
4人目は、教員をやっていた方です。
教員は本当に大変な仕事だと思います。余暇の時間がものすごく少ない。 そこから消防に来た方でした。
2〜3年社会人を経験して、25〜26歳で消防に入ったと思います。
この方は本当に頭が良くて、説明がものすごくうまい。 教えるのもうまい。
僕が新人の頃、直属の上司でした。教わりながら「分かりやすいな」と思っていました。1年目、2年目は、上司に恵まれました。
3年目でどん底に落とされるんですが、それはまた別の話です。
不器用を否定しない教え方|前職の経験は必ず活きる
この方は、先輩にも物怖じせず、自分の意見をぶつける人でした。
人生相談もさせてもらいました。何を言っても、あまり否定しない方でした。
一番ありがたかったのは、教え方です。
僕が不器用なことを、この方は分かっていました。そのうえで、不器用を否定するんじゃなくて、不器用を根本からどうしていくかという指導をしてくれた。
何が分からないのかが分からない。 そういうところから教えてくれるんです。
これは、教員をやっていたことの強みなんだと思いました。
市民の方への説明や、行事ごとにも積極的でした。講習にもすごく強い方でした。 人前に立って話すのが、ものすごく得意なんです。
経験というのは、どこかで必ず活かせる。 この方を見ていて、そう思いました。
5人目 救助を目指して入ってきた上司
5人目も、直属の上司でした。この方も25〜26歳で消防に入っています。
もともと格闘技をやっていた方だったと思います。体も強くて、体力もあって、プライドもある。 ものすごく消防向きの方でした。
初めから救助の道に行きたい、という方でした。
モチベーションがすごく高い。クールで、時には厳しいことも言われます。ただ、根はすごく優しい。 いい方でした。本当にお世話になったと、いつも思っていました。
やり遂げるプライドも大事
この方を見ていて思ったのは、プライドも大事だということです。
ここで言うプライドは、「自分がやりたいことに対して、やるんだ」という気持ちのことです。
そこにまっすぐ向かっていく姿勢。 それをいつも感じていました。
やり遂げるという、まっすぐな気持ち。これがすごく大事なんだと思います。
6人目 一度落ちて、民間で働いていた同期
6人目は、僕の同期です。
もともと救命士の資格を持っていました。消防になりたかったけれど、受験しても受からなかった。泣く泣く、民間の企業で働いていたやつです。
この同期が、とにかくできるやつでした。
本当に器用なんです。器用ということは、頭の回転も速い。そして、負けん気が強い。
一緒に訓練をしていると、「負けたくない」という気持ちが伝わってくるんです。僕が勝てる分野は体力くらいしかなかったので、それ以外ではずっと負けん気を出してくる。
ただ、負けん気を出しながらも、僕の出来が悪いことは向こうも分かっていて、できるまで一緒に付き添ってくれました。
冗談も言い合える仲でした。僕が何かやらかしても、「あの時こうだったよな」と笑い合える。
好きなやつでした。 いいやつだったなと、今振り返って思います。
社会人で受かった理由|要領の良さと芯の強さ
この同期が、社会人をやりながら受かった理由。
僕は、要領の良さと器用さだと思っています。
その要領の良さで、試験をカバーしていく。立ち回りも上手なので、面接官が求めている答えを出せる人間だと思うんです。
ただ、それだけではありません。
自分の考えをちゃんと持っていて、自分の意見を言える人間でした。芯の強さがある。
うまくやる一方で、芯の強さもある。 ここがポイントだと思います。
社会人から消防士になった人に共通する6つの特徴
ここまで6人を紹介してきました。
社会人から消防士になるのは、なかなか大変なことです。
働きながらだと、勉強時間や試験対策が、どうしても疎かになってしまう場合が多い。それでも試験を突破できるだけの対策をして、受かっている。
振り返ると、こういう特徴がありました。
- 熱い気持ち
- 何かをやり遂げる、まっすぐな力
- 要領の良さ
- 頭の回転の速さ
- 器用さ
- 人間力
最後の人間力は、「まっすぐな人間」と言い換えてもいいと思います。
社会人から消防士になる難しさ|新卒との違い
社会人から入ると同期の中で年上になる|新卒との違い
では、新卒で入った人と比べて苦労することはあるのか。
ぶっちゃけて言うと、社会人から来るので、同期の中では年上になります。
そうすると、同期の中でリーダー的な立場になる。そして、怒られるのも年上になるんです。
そこで多少病んでしまう、ということはあると思います。ただ、新卒の人とそんなに変わらないとも思います。
消防学校では「年上だからできるでしょ」と見られる
消防学校に行くと、周りは年下ばかりです。
すると、「年上だからできるでしょ」という雰囲気が、どうしてもあります。
年上でできると、尊敬されます。 逆に、年上で何かできないと、そんなに尊敬されない。
年上すぎると、「年だから」という目で見られることもあります。
ただ、実際にはそんなことはないと思っています。大体、20代で入ってきますよね。20代は体の全盛期です。衰えなんてないと思います。
社会人は勉強時間がない|働きながら合格する難しさ
社会人から受ける人は、そもそも時間がないと思います。
残業が多ければ、勉強に時間を割くのはなかなか難しい。
だから、この6人を見ていて、よく受かったなと思います。 本当にすごいと、素直に思いました。
よっぽど熱い気持ちと、継続力と、モチベーション。それに人間力がないと無理だと思います。多少の要領の良さもあると思いますが、やっぱり強い気持ちです。
社会人から消防士は、新卒で受かるよりよっぽど難しい
僕は、社会人から消防士になる方が、新卒で受かるよりもよっぽど難しいと思っています。
なぜかというと、今、生計を立てられているからです。
社会人として、すでに生活できている。それを手放してまで消防士になるには、それだけの理由がないとなれないと思います。
ただ、面接官はフラットに見ていると思います。その熱い気持ちが伝われば、採用されると僕は思います。
年齢制限ギリギリで受ける方へ
年齢制限ギリギリで受ける方へ|東京消防庁は35歳まで
最後に、年齢制限ギリギリで受ける方へ。
消防としては、若手からバリバリ現場で働いてほしいというのがあると思います。
なので、体作りが大事です。 体はきちんと作っておいてほしいです。
東京消防庁は、大学卒業程度の消防官Ⅰ類について、受験できる年齢を30歳未満から36歳未満に引き上げています。 つまり、35歳まで受けられるということです。
もともと消防は、30歳くらいがボーダーラインでした。
30歳なら、体力はそんなに衰えません。ただ、35歳までいくと、20代と比べて多少の違いはあると思います。
僕自身、普段から鍛えているので、体力の差はないと思っています。それでも20代前半と比べると、スタミナや回復力は多少落ちてきたと感じます。
そのあたりのバランスも考えて、準備してもらえたらと思います。
年齢制限は消防本部ごとに違います
最後に書いておきます。
年齢制限は、消防本部ごとに違います。 社会人経験者向けの枠があるかどうかも、本部によって違います。
人員の余裕も、職場の雰囲気も、本部が変われば変わります。
ただ、それは実名を出さないと意味のない話です。無料の記事で書けることではないので、有料の記事にまとめました。
元消防士として、実名で書いています。
▼受けるなら、ここだと思う5本部
愛知県で本当に受けるべき消防本部、元消防士が実名で5つ選びました
▼逆に、僕ならすすめない5本部
愛知県で受けない方がいい消防本部、元消防士が実名で5つ書きました
▼「キーマン」の話は、こちらに書きました
▼倍率と教養試験の話は、こちらです
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よくある質問
Q1. 社会人から消防士になれますか?
なれます。僕が一緒に働いた人の中にも、接客業、公安系、看護師、教員、民間企業から入ってきた人がいました。ただ、働きながらだと勉強の時間が取りにくく、新卒で受かるよりもよっぽど難しいと僕は思っています。
Q2. 消防士の年齢制限は何歳までですか?
消防本部ごとに違います。もともとは30歳くらいがボーダーラインでしたが、東京消防庁は大学卒業程度の消防官Ⅰ類について、受験できる年齢を30歳未満から36歳未満に引き上げています。受ける本部の募集要項を必ず確認してください。
Q3. 社会人から入ると、何に苦労しますか?
同期の中で年上になるので、リーダー的な立場になり、怒られるのも年上になります。消防学校では「年上だからできるでしょ」という雰囲気もあります。ただ、新卒の人とそこまで大きくは変わらないと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
元消防士のトラックドライバー🧑🚒🚚


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