消防士として働き始めた当初、自分は本当に仕事ができませんでした。結索は覚えられない、コミュニケーションは苦手、現場に出ても何をすればいいか分からない、活動がワンテンポ遅れる。そんな悩みを抱えながら毎日を過ごしていました。
今回は、そんな自分が実際に取り組んで効果があった「不器用・コミュ障・頭の回転の遅さを克服するためにやったこと」をお伝えします。新人から2〜3年目の消防士の方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
① 結索が覚えられない → とにかくロープを持ち歩く
想定訓練で結索をやっても全然できない。教えてもらったのに、いざ本番になると手が動かない。そういう経験をされている方は多いと思います。自分もまったく同じでした。
改善のために意識したのは、常にロープを持ち歩くことです。日中の訓練だけでなく、夕食・休憩・夜間の勤務時間など、隙間時間に手を動かすだけで習熟度は大きく変わります。可能であればロープを持ち帰ることも勧めます。署によっては持ち帰りが難しい場合は、自分で三つ打ちロープを購入して練習してください。
最も大切な考え方は、人の2〜3倍の量をこなすことです。人が1時間でできることに3時間かかるなら、3倍の時間をかけてでも習得する。不器用な分は量でカバーする。その意識一つで、成長のスピードは大きく変わります。
② コミュニケーションが苦手 → 知らない人との会話量を増やす
消防は同じ署のメンバーと寝食を共にする職場です。先輩・同期・後輩との日常のコミュニケーションが、現場での連携に直結します。コミュニケーション能力は、技術と同等に重要なスキルです。
消防の現場、特に救急では、初対面の傷病者から短時間で必要な情報を引き出さなければなりません。「気持ち悪い」「具合が悪い」という断片的な言葉から状態を把握し、相手が何を求めているかを瞬時に読み取る。突き詰めると、これは知らない相手と会話を成立させる力そのものです。
自分が実践したのは、バーで知らないグループに声をかけたり、普段と異なるコミュニティに参加したりして、知らない人との会話量を意識的に増やすことでした。重要なのは、日頃の会話量を増やす意識を持つことです。
現在はトラック運転手として働いていますが、会話の少ない仕事をしていると、言葉がすっと出てこなくなる場面があります。日頃の会話量が、コミュニケーション能力の維持にいかに直結しているかを、今も実感しています。
③ 頭の回転が遅い → 動作を早くする+メモ書きでテーマを深掘りする
頭の回転が遅いと、現場での判断がワンテンポ遅れます。早さと的確な判断が求められる消防の現場において、思考の遅さは深刻な課題でした。
まず取り組んだのは、日常のあらゆる動作を早くすることです。出動指令が鳴ったら誰よりも先に司令台へ向かい、防火衣に着替え、現場の場所を確認する。「誰よりも早く動く」という習慣を積み重ねることで、頭と体の反応速度は確実に上がっていきます。
さらに大きな効果をもたらしたのが、『ゼロ秒思考』のメモ書きです。A4用紙にテーマを書き、それに対して3つ以上を箇条書きで書き出していく手法です。
「今日ワンテンポ遅れた原因は何か」というテーマを書いたら、思いつく限り箇条書きにします。そこからさらに「改善するためには何をすべきか」というテーマで書き出す。この深掘りの習慣が、思考の遅さを補う土台になりました。自分は毎朝、勤務前に少し早く出勤してこのメモ書きを行っていました。
最後に
不器用でコミュ障で頭の回転が遅くても、意識と工夫次第で改善できます。自分自身がその実感を持っています。
量でカバーすること。会話の機会を意識的に増やすこと。そして書くことでテーマを深掘りする習慣をつけること。地味な積み重ねですが、それが確実に実力になっていきます。同じ悩みを抱える消防士の方の参考に、少しでもなれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
元消防士のトラックドライバー🧑🚒🚚


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