「ドライバーは底辺」と言われて。元消防士の僕が、それでも胸を張れる理由

トラックドライバー

🔥 こんな人に読んでほしい

  • 自分の仕事を「底辺」と言われてモヤモヤしたことがある人
  • 世間の目と自分の誇りの間で揺れている人
  • トラックドライバーという仕事の実際を知りたい人

今日は「ドライバーは底辺か」というテーマで書いていきたいと思います。

トラック系の動画を見ていると、けっこうな確率でこういうコメントを見かけます。YouTubeのショート、TikTokのショート動画、Instagramのリール。ドライバーの動画が流れてくると、「ドライバーは底辺だ」というコメントが、ぽつぽつと付いているんですよね。それについて、元消防士で、今はトラックドライバーをしている僕なりに、正直なところを語ってみたいと思います。

先に結論から言うと、ドライバー職は底辺ではありません。むしろ、なかなか頭を使う仕事だと思っています。

1. 運転だけが、ドライバーの仕事じゃない

「ドライバー=運転しているだけ」というイメージがあるのかもしれません。もちろん、運転はします。しっかりします。でも、運転だけが仕事ではないんです。

たとえば、荷積み・荷降ろし。これがまた、ただ積めばいいというものではありません。荷物によって崩れやすさが違うので、積み方を変えないといけない。そして、一件目はここ、二件目はここ、三件目はここ、と回っていくので、降ろす順番を考えながら積んでいかないといけません。

僕がやっている食品のルート配送だと、カートが何本入るか、オリコン(折りたたみコンテナ)が何本入るか、というのを計算します。三件回るなら、その合計で何本になるか。こういう細かい計算が、毎回あるわけです。

これ、正直に言って、バカではできません。数が数えられないと、算数ができないと、成り立たない仕事なんです。だから「運転しているだけ」では決してない。そう考えると、これを底辺と呼ぶのは、ちょっと違うんじゃないかなと思います。

2. それでも「底辺」と言われてしまう理由

とはいえ、なぜ底辺と言われてしまうのか。その理由も、わからなくはありません。

運転中というのは、基本的に一人の時間です。自分の経験と運転技術を使って、ただ運転していく。その部分だけを切り取ると、「頭が悪くてもできる」「底辺だ」と見られてしまうのかもしれません。

それから、サービスエリアやパーキングエリアでの振る舞いです。トイレに行かずにタイヤに立ちションをしていたり、信号待ちで窓からゴミを投げ捨てたり。そういう場面が目につくと、「だから底辺だ」と言われてしまう。

でも、これって普通の乗用車に乗っている人だってやっていますよね。ゴミのポイ捨てなんて、乗用車でもバイクでも見たことがあります。トラックのドライバーだけがやっている、というわけでは決してないと思うんです。

しかも、そういうことをするドライバーは、本当にごくごく一部です。僕の勤めている会社には、まずいません。ただ、その一部の人がそういうことをして、見た目もちょっといかつかったりすると、それも含めて「底辺」とひとくくりにされてしまう。残念だなと思います。

3. 意外と、コミュニケーション能力も必要

それからもう一つ。ドライバーには、意外とコミュニケーション能力も必要です。

お店の人に伝票を渡して、検品をしてもらう。そのときのちょっとした会話。荷物を降ろすときに、「これはここに置いておいて」「これは少しばらしておいて」といったやりとり。リフトマンに荷物を積んでもらうときのやりとり。

量こそ多くはありませんが、その少ないコミュニケーションの中で、いかに物腰柔らかく、いい関係を築けるか。これが意外と効いてきます。うまく取れないと、お店との関係が悪くなって、最悪、自分一人のせいで会社の仕事が奪われてしまうことだってあるんです。

だから僕は、いきなりドライバーから入るより、サービス業のような仕事を経験してから入ると、この物腰の柔らかさが活きてくると思っています。ナメてかかると、本当に痛い目を見る仕事です。

4. プロ意識を「底辺」と呼ばれると、悲しい

運転技術もない、対人スキルもない、荷積みのときの数の把握もできない。それでこの仕事をやると、本当に痛い目を見ます。僕自身、一度ミラーをぶつけたこともあります。

そして、トラックというのは、一度事故を起こすと本当に危険な乗り物です。渋滞の列に突っ込んで、乗用車がぺちゃんこになって、亡くなってしまう。そういう事故も、現実にあります。

だからこそ、トラックを運転する人間は、「自分は危険な乗り物に乗っているんだ」という自覚を持って運転しています。大抵のドライバーは、そういうプロ意識を持ってハンドルを握っているんです。

そのプロ意識を「底辺」と言われてしまうと、一生懸命がんばっているドライバーさんに、本当に失礼だなと思います。そして、そういうコメントをしている人は、いったいどんな仕事をしているんだろう、と少し疑問に思ってしまうんです。どんな仕事にも、いい面と悪い面があるはずですから。

5. 給料と労働環境という、現実の話

正直に、底辺と言われてしまう背景もお話しします。

一つは、給料が安いところが多いこと。もう一つは、ブラック労働が常態化している部分があることです。長距離なら家に帰れる日が少ないですし、地場や中距離でも、拘束時間が長くなることはザラにあります。どうしても、ブラック寄りの労働になってしまいがちなんです。

僕自身は、あまりブラックだとは感じていません。でも、こうした労働環境が「底辺」というイメージにつながってしまう要因の一つなのだろうな、とは思います。

6. それでも、底辺な仕事なんて、ない

いろいろ書きましたが、僕が一番伝えたいのはこれです。

底辺な仕事なんて、ありません。本当に。

僕は元消防士です。消防士は素晴らしい仕事でした。そして今のドライバーも、それと同じくらい素晴らしい仕事だと思っています。仕事に優劣なんて、ないんです。

その仕事の付加価値が、お給料に反映されてくる。だから金額の差はあります。でも、仕事そのものに上下はない。お給料は変わっても、そこのところは、みんな平等なんじゃないかなと、僕は思っています。

ドライバーは、日本の物流を支え、担っている一員です。だから僕は、この仕事に誇りを持っています。

ドライバーは底辺ではなく、素晴らしい仕事ですよ。それを、僕は声を大にして言いたいです。

よくある質問(FAQ)

Q. ドライバーは運転しているだけの仕事ですか?

A. いいえ。荷物の崩れやすさに合わせた積み方、降ろす順番の逆算、カートやオリコンの本数計算など、毎回しっかり頭を使います。「運転しているだけ」ではありません。

Q. なぜ「底辺」と言われてしまうのですか?

A. 一人で運転する時間が長く見えること、一部のマナー違反、給料の安さやブラック寄りの労働環境などが、イメージの原因だと思います。ただ実態はごく一部の話です。

Q. 未経験からドライバーになっても大丈夫ですか?

A. 大丈夫ですが、対人のやりとりも意外と多い仕事です。サービス業などで物腰の柔らかさを身につけてから入ると活きてきます。ナメてかかると痛い目を見るので、プロ意識を持って臨んでください。

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