🔥 こんな人に読んでほしい
- 消防学校(初任科)の厳しさに、不安を感じている人
- 今まさに初任科で、いじめや理不尽に苦しんでいる人
- 「なぜあんなに厳しいのか」の裏側を知りたい人
今日は「消防学校の厳しい指導と、ハラスメント問題」というテーマで、元消防士として本音で書いていきたいと思います。
僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。
前回、「消防学校(初任科)が辛すぎて、辞めたいです」というテーマで、初任科のリアルを書きました。ただ、ああいう話を読むと、「自分は本当にやっていけるんだろうか」と、かえって不安になる方も多いと思います。実際、そういった声もいただきました。
今日はその不安に答える回として、「なぜあんなに厳しいのか」の裏側と、「パワハラやいじめとどう向き合うか」、そして「最後に、いちばん伝えたいこと」を、正直に書いていきます。
1. どんな仕事も、最初はきつい
まず大前提として、どんな仕事であっても、その最初の一歩というのは、結構きついものなのかなと僕は思っています。
そのうえで、消防学校というのは、消防士としての「基礎の基礎」を学ぶ場です。現場の応用ではなく、そもそも消防士として必要なことを、一から叩き込まれる場所。こういう基礎は、なかなか現場では教えられません。だからこそ、初任科という課程があるんです。
しかも、これを各自治体がバラバラにやってしまうと、コストもかかるし、自治体によって消防力に差が出てしまう。だから、各自治体の新人消防士がまとまって、同じ初任教育を受ける。この「偏りをなくす」という意味でも、初任科はすごく大事な仕組みなんだな、と今は思います。
2. なぜ、あんなに厳しいのか
なぜ、あそこまで厳しいのか。答えはシンプルで、消防の仕事が「命がけ」だからです。
これほど命がけの仕事は、なかなかないと僕は思っています。燃え盛る炎の一歩手前まで内部進入して、要救助者を助けにいく。その中で、フラッシュオーバーやバックドラフトで命を落としてしまう消防士も、現実にいます。命がけの職業だからこそ、絶対に「殉職者」を出してはいけない。だから、あの厳しい指導も、僕は致し方ないと思っています。
人の命がかかっている場面で、「いいよ、いいよ」と、割れ物を扱うように優しく教えていたら、事の重大さに気づけない若手も必ず出てくる。厳しく言わないと伝わらないことは、絶対にあるんです。だから、教官の厳しい指導そのものは、しょうがない。むしろ必要なことだと、僕は思っています。
3. ハラスメントと、いじめの話
ただ、その厳しさが、パワハラやセクハラに「つながってしまう」のはよくない。ここは、はっきりそう思います。
厳しい指導が当たり前の環境だと、どうしても教官も厳しくなる。そのストレスフルな環境の中で、消防学校生同士のいじめが発生してしまうことも、正直、中にはあります。だから、リアルを知って不安になる気持ちは、すごくよくわかります。
そのうえで、これは大前提として言っておきますが──いじめは、いじめる側が100%悪いです。いじめは絶対によくない。ただ、これは個人的な考えとして聞いてほしいのですが、いじめる側が悪いのを前提としたうえで、「いじめられない自分になる」努力も、自分を守るためには大事だと思っています。
たとえば、格闘技をやってみる。筋トレをして体を大きくする。それだけでも、相手からの見られ方は全然変わります。「こいつには手を出しづらいな」と思わせることも、一つの防衛なんですよね。自分を守るために、強くなっておく。これは、決して逃げではないと思っています。
4. 「お人好し」が損をしないために
消防学校には、どうしても「学生気分」が抜けない人が集まります。新卒でそのまま入る人が多いので、これはある意味しょうがない。
その空気の中で、たとえばこんなことがあります。試験の過去問が出回っていて、それを持っている人がいる。すると、その人に「便利屋」のように群がって、本当は自分で勉強すべきなのに、人の問題集を自分のもののように使って済ませようとする人が出てくる。正直、卑怯だなと思う場面もありました。
こういう環境だと、どうしても「優しい人」「お人好し」が損をしてしまう。だからこそ、毅然とした態度が必要なんです。何を頼まれても「いいよ、いいよ」ではなく、時にはきちんと断る勇気を持つ。「何でもいいよ」の人にならない。これから社会人として生きていくと、いろんな誘惑や理不尽があります。その中で、コミュニケーション能力と、毅然とした態度。この二つは、必要不可欠だと思います。
5. 一人で抱えず、必ず相談してほしい
もし今、同期に変なことをされたり、いじめのようなものを受けているなら、絶対に一人で抱えないでください。遠慮なく、相談してほしいんです。
相談先は、必ずいます。その期の総代や副総代、寮の年上の先輩、寮のリーダーや班長。身近で、信頼できる人に相談する。これが本当に大事です。消防学校には、各所属からたくさんの仲間が集まってきます。だから、誰か一人は必ず、手を差し伸べてくれる人がいる。仕事以外の人間関係で、つまずいてほしくない。
そして、どうしても無理なら、辞めるという選択も、僕は否定しません。職業は、消防士だけではない。現に、僕自身も転職しています。そんなに辛い思いをしてまで、嫌なことを続ける必要はない。でも、本当に消防士として働きたいなら、そこは「しょうがない」と割り切って、乗り越えるしかない。どちらを選ぶかは、あなた次第です。
6. 最後に伝えたい。「消防学校は、茶番です」
最後に、いちばん伝えたいことを書きます。これは今だから言えることなんですが──消防学校は、茶番です。
どういうことか。あの厳しい教官たちは、じつは「教官」という役を演じているんです。特別に怖い人間なわけではなくて、一人ひとりは、僕らと同じ、普通の消防士。それが、新人を鍛えるために、あえて厳しい教官を演じている。
僕には、忘れられない経験があります。学校を出たあと、当時あれだけ厳しかった教官と、食事をする機会があったんです。そうしたら、その人が、信じられないくらい優しかった。目つきも、雰囲気も、まるで別人のよう。あの厳しさは、たまたま必死に「演じて」いただけで、本当は、新人消防士に何とか伝えようとする、熱い魂だったんだと、その時ようやくわかりました。
もちろん、消防学校の真っ最中は、「辛い、辛い」が先に立って、そんなことを考える余裕なんてありません。それは、痛いほどわかります。でも、もし一つだけ覚えておいてほしいことがあるとすれば、これです。消防学校は、茶番劇。だから、その茶番に付き合ってあげてください。
あの厳しさの裏には、「新人を、なんとか一人前の消防士にしたい」という、本気の想いがある。それだけは本当なんです。そこを汲み取ってもらえれば、あの日々も、ほんの少しだけ、楽に感じられるんじゃないかなと思います。今まさに、消防学校で苦しんでいるあなたに、この記事が少しでも届けば嬉しいです。頑張ってほしい、というのが、僕の一番の気持ちです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
よくある質問(FAQ)
Q. 消防学校はなぜあんなに厳しいの?
A. 消防が「命がけ」の仕事で、絶対に殉職者を出してはいけないからです。優しく教えるだけでは事の重大さが伝わらない若手もいるため、厳しい指導そのものは必要なもの、というのが筆者の考えです。
Q. いじめや理不尽に苦しんでいます。
A. いじめは100%いじめる側が悪く、あなたに非はありません。絶対に一人で抱えず、総代・副総代・寮の先輩など信頼できる人に相談してください。どうしても無理なら、辞める選択も否定しません。
Q. 「消防学校は茶番」とはどういう意味?
A. あの厳しい教官は「厳しい役」を演じているだけで、本当は新人を一人前にしたい熱い想いを持った、普通の優しい消防士です。その裏側を知っておくと、辛い日々も少し楽に感じられます。


コメント