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💡 この記事のポイント
- 救命士の資格は「取りたい」と言って取れるものではなく、消防本部の推薦と選抜が必要
- 養成所に行く年数の目安は、だいたい5年目〜10年目
- 資格取得後も、処置を増やすための認定が年1回ずつ段階的に続く
- 養成所を目指すなら「意思の発信」と「かわす技術」の両方が要る
今回は「消防士になってから、救急救命士の資格をいつ取らせてもらえるのか」というテーマで、元消防士として本音で書いていきたいと思います。
僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。
先日、こんな趣旨のメッセージをいただきました。「救命士の資格を持たずに消防士になった場合、現場に出てから、どれくらいで救命士の資格を取らせてもらえるんですか?」と。
これは、多くの人が気になるところだと思います。今回は、僕自身がいた消防本部の傾向と、近隣の消防本部から聞いた話をもとに、正直にお答えしていきます。
まず大前提。資格は「取りたいから取れる」ものじゃない
最初にお伝えしておくと、これは消防本部によって本当にバラバラで、一概には言えません。そのうえで、傾向として読んでいただければと思います。
救命士の資格を取るということは、東京や福岡、愛知といった場所にある養成所に通うことになります。そして、そこに行くには、消防本部からの「推薦」が必要です。つまり、消防署の方で「この人間に取らせよう」と選別されて、ようやく資格取得のルートに乗れるんです。
だから、大前提として覚えておいてほしいのは、取りたいと言えば取らせてくれるものではないということ。消防署が総合的に判断して人選します。
選抜される人の条件
では、どういう人が選ばれるのか。僕の見てきた範囲では、次のような条件がありました。
まず、救急でこれからやっていくという強い意志があること。そして、救急が得意で、知識があること。このあたりで選抜されていきます。
そのうえで、養成所に行かせてくれる「枠」というのが、そもそもそんなに多くありません。だから、所内での選抜は覚悟しておいたほうがいいです。
僕のいた消防本部では、ある程度キャリアを積んでいて、かつ救急出動も多い人が選ばれていました。条件面でも、「何件か以上の出動実績」や「一定の年数」が要件に入っていたと記憶しています。
年数の目安は「5年目〜10年目」
「じゃあ、何年目で行けるのか」という質問ですが、正直、これも明確には言えません。
ただ、自分の周りや、他の消防本部の話を聞く限り、だいたい5年目から10年目の先輩方が養成所に通う一つの目安だったように思います。それくらい働いて、救急でやっていく意思を示し、所内の選考を通って、初めて養成所に行くことができる。割と年数がいっていないと、なかなか取らせてもらえないのが実情です。
資格を取ってからも、段階がある
養成所に通っても、そこで終わりではありません。まず国家試験があり、これに受からないと救命士にはなれません。
そして、救命士になったあとも、できる処置を増やしていくために、段階的な資格取得が続きます。ざっくり、こんな流れです。
- 包括救命士(=包括的指示下で除細動などができる救急救命士)
- 薬剤投与認定救命士
- 処置拡大認定救命士
- 気管挿管認定救命士
気管挿管は、救命士が行える高度な処置のひとつです。ほかにも、指導的な立場で救急隊員を教えられる「指導救命士」という区分もあります。これは一発の試験というより、一定年数の実務経験を積んだうえで、養成教育を受けて認定される、ベテラン向けの立場です。
処置拡大は「年1回」ずつ
すでに救命士の資格を持って入ってきた人は、早めにこうした処置の試験を受けられます。処置を拡大していく試験は、主に年1回で、少しずつグレードアップしていくイメージです。
- 1年目に包括救命士
- 2年目に薬剤投与認定救命士
- 3年目に処置拡大認定救命士
- 4年目に気管挿管認定(できるかは別として)
薬剤投与認定までは、消防署によってはポンポンと取らせてくれるところもあります。いずれにせよ、年に1回ずつ試験がある、という流れですね。なお、認定の正式な名称や取得の順番は、時代や消防本部によって異なる場合があります。詳細は、志望する消防本部に直接確認するのが確実です。
養成所に行きたいなら、「意思」を発信する
ここからは、少し現場の処世術の話になります。
救命士の養成所に行きたいのであれば、「救命士として頑張りたい」という意思を、周りにどんどん発信しておくことが大事です。これは、いわば根回しですね。
救急で頑張りたいという意欲が伝われば、先輩も自然と気にかけて、動いてくれるようになります。黙っていては、誰もあなたが救急を志していることに気づいてくれません。
でも「救急だけやりたい」は、前面に出すな
ただし、ここに一つ、大事な注意点があります。
新人で入ってきた以上、いろんな先輩から教わることになります。警防の先輩、救助の先輩、救急の先輩。そのそれぞれから訓練を教えてもらう中で、「何をやっていきたいの?」と聞かれる場面が必ずあります。
このとき、救助の先輩に向かって「僕は救急だけやりたいんで、救助は興味ないです」なんて言ってしまうと、どうなるか。その先輩は、教える気が失せてしまうんです。
だから、こういうときは、うまくかわすスキルが必要です。「救助も考えてますし、まだ現場に出ていないのでよく分からないですね」くらいに、やんわりと受け流す。「何でもやっていきたいです」「何でもやる気あります」と言っておけば、まず大丈夫です。
特に、田舎の消防であればあるほど、この「上手にかわす」技術は大事になります。
「救急でやりたい」は、近い先輩にだけ
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、整理するとこうです。
- みんなの前では「何でも頑張りたいです」というスタンスでいる
- 本当の意思は、仲のいい近い先輩にだけ「救急でやっていきたいんです」と伝えておく
「救助はやりたくない、救急だけやってたい」という本音を全体に向けて出すのは、おすすめしません。他の先輩も、いい気はしませんから。たとえ心の中でそう思っていても、それは言うべきではない、というのが僕の考えです。
「何でも頑張りたい」と若いうちから言っておくと、「この人は消防の仕事が本当に好きなんだな」と思ってもらえます。そういう仕事ぶりは、後々ちゃんと評価につながります。
だからまずは、消防の全部の仕事を頑張っていく。そのスタイルでいくのが、結果的に一番いいと思います。今後の人間関係を築いていくうえでも、この「かわす技術」は、必ず役に立つはずです。
よくある質問
Q. 救命士の資格は、自分の希望だけで取れますか?
A. 取れません。養成所に通うには消防本部からの推薦が必要で、署内での選抜を通る必要があります。枠自体が多くないため、「取りたい」という意思表示に加えて、日々の勤務姿勢や救急への適性が総合的に判断されます。
Q. 最初から救命士の資格を持って入ったほうが有利ですか?
A. 資格を持って入れば、養成所の選抜を待つ必要がなく、早い段階から処置拡大の試験を受けられます。ただし、消防の仕事は救急だけではないので、資格の有無に関わらず、消火・救助を含めた全体を学ぶ姿勢は必要です。
Q. 「救急をやりたい」と上司に伝えても大丈夫ですか?
A. 意思を伝えること自体は大事です。ただし「救急だけやりたい、他は興味がない」という言い方は避けたほうがいいです。教えてくれる先輩の意欲を削いでしまいます。全体には「何でも頑張ります」、本音は近しい先輩にだけ、が現実的です。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
元消防士のトラックドライバー🧑🚒🚚


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