💡 この記事のポイント
- 5年半勤めて辞めた元消防士が、消防士に向いていない人・なって後悔しやすい人の特徴を7つにまとめました
- 人間関係で後悔しやすい人/休みの使い方で後悔しやすい人/現場の仕事で苦労しやすい人の3つに分けています
- 僕自身は7つのうち5つ当てはまっていました。それでも「目指すな」という話ではありません
今日は「消防士に向いていない人、なって後悔する人の共通点」というテーマで、元消防士として本音で話していきたいと思います。
僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。
僕自身、消防士になって、最初は後悔したこともありました。そして、辞めていった先輩たちを見ていて、そういえばこんな共通点があったなと思うことがありました。今日はそれを、これから消防士を目指す人に向けて共有していきます。
先に言っておくと、これは「消防士をやめたほうがいい」という話ではありません。むしろ消防は誇りある仕事です。ただ、これから紹介する特徴に当てはまる人は、入ってから人一倍苦労する可能性が高い。あくまで僕の独断と偏見ですが、実際に自分が働いて、周りが辞めていくのを見てきたからこそ言える話でもあります。当てはまっても克服はできます。大事なのは、早めに自覚して対策することです。
消防士に向いていない人の特徴7つ
先に一覧で並べておきます。
- ①正義感が強すぎる人
- ②一人が好きな人
- ③しゃべりが苦手な人(コミュ障)
- ④休日は仕事とプライベートを切り分けたい人
- ⑤不器用な人
- ⑥頭の回転が遅い人
- ⑦親が太い人(家族が裕福)
①〜③は人間関係、④は休みの使い方、⑤〜⑦は現場の仕事の話です。順番に話していきます。
人間関係で後悔しやすい人
辞めていった人を見ていて、一番多かったのは人間関係でした。消防は24時間、同じメンバーと過ごす仕事です。ここが合わないと、仕事の中身が好きでも続きません。
①正義感が強すぎる人
正義感が強いこと自体は、本当に素晴らしいことだと思います。消防という、人を救う仕事において、プライドを持って、正義感を持ってやれるというのは、大きな強みです。
ただ、問題はここからです。消防の組織にも、残念ながら、間違ったことを言う上司や、自分の我を通そうとする上司がいます。正義感が強すぎる人は、そういう上司に、どうしても反発してしまう。すると、上司から目をつけられて、パワハラや嫌がらせを受けてしまう、というパターンがあるんです。
僕が見てきた中でも、この嫌がらせが原因で、心を病んで辞めていった人は、本当に多かった。正義感が強いという「いいところ」が、組織の中では、かえって自分を苦しめてしまうことがある。これは、覚えておいてほしいなと思います。
▶ 消防士のパワハラの実態|上司の4タイプ・受けやすい人の特徴と相談窓口
②一人が好きな人
これは、僕自身に当てはまります。僕はもともと、プライベートでは一人で行動するのが好きでした。趣味は筋トレで、本を読んだり、自己啓発的なことをしたり、基本的に一人で何かをするのが好きなタイプです。
では、一人が好きだと何がいけないのか。消防の勤務は、どうしても泊まりになります。つまり、24時間ずっと、人と接している状態になるんです。一人の時間がないと心のリセットができないタイプにとって、24時間ずっと気を使い続ける環境は、正直しんどい。一人の時間が好きな人ほど、人間関係で疲れてしまいやすいんです。
僕も、特に1年目は、この部分ですごく悩みました。なんとか耐えられましたし、最後のほうは班のメンバーにも恵まれたので、僕の場合は一概には言えないのですが、一人が好きな人は、少し後悔するかもしれません。
③しゃべりが苦手な人(コミュ障)
消防は、チームワークがすべての仕事です。チームプレー、つまりコミュニケーションを、何より大事にしなければいけない。
現場では、即座の判断と正確な報告が求められます。たとえば「60歳男性、CPA(心肺停止)、自宅3階」と伝えられた瞬間から、頭をフル回転させて次の行動を組み立てなければなりません。状況を短く正確に伝える、指示を受けて即返す。こうしたやり取りが苦手だと、現場でも署内でも苦労します。僕も、無線での簡潔明瞭な報告や、病院への電話連絡が最後まで苦手でした。
ただ、これだけは言っておきたいのですが、コミュニケーション能力は、後からいくらでも改善できます。僕自身、完全に克服できたかと言われると微妙ですが、入った頃と比べれば、全然コミュニケーションが取れるようになりました。「どうすればコミュニケーション能力が上がるか」を、自分の頭で考えて、行動し続けたからです。知らないコミュニティに飛び込んでみたり、休みの日でも意識して人と関わってみたり。コミュ障だった僕が言うので、間違いありません。大体の人は、改善できます。
休みの使い方で後悔しやすい人
「消防士は休みが多い」と言われます。たしかに日数は多いのですが、その休みが丸ごと自分のものになるとは限りません。
④休日は仕事とプライベートを切り分けたい人
消防士は、非番の日や休みの日に、行事がかなり入ってきます。普通救命講習だったり、防災訓練の進行や資機材の説明だったり。救命士の方なら病院実習もありますし、他の消防本部との合同訓練も、非番の日に食い込んできます。
救助大会に出るような人は、非番も救助訓練に充てないといけない、というパターンもあります。だんだん「予定がない日はラッキー」くらいの感覚になってくる。休日と仕事を、きれいに分けたい人にとっては、なかなかしんどい環境かもしれません。
▶ 消防士の休みは多い?3交代の仕組みと非番・週休の違いを元消防士が解説
現場の仕事で苦労しやすい人
ここからの3つは、後悔というより「入ってから苦労しやすい」特徴です。どれも、工夫と反復で補えます。
⑤不器用な人
僕自身がそうでした。結索(ロープ結び)一つを覚えるのに、2〜3時間かかったこともあります。ロープやカラビナを手袋越しに扱う細かい作業は、本当に苦労しました。消防は手先を使う作業が多く、不器用だと最初は本当に苦戦します。
そして不器用さは、手先だけの話ではありません。段取りや気の回し方など、人間関係の立ち回りにも影響してきます。ただ、これは反復で必ず身につきます。人より時間がかかっても、続ければ手は覚えてくれます。
▶ 不器用でも消防士になれる?元消防士が語る、不器用が武器になる理由
⑥頭の回転が遅い人
深夜2時に指令が入って飛び起き、寝起きの頭のまま並行して処置を進める。そんな場面が消防にはあります。瞬時に状況を整理して動く力が求められるので、頭の回転が遅いと最初はついていくのが大変です。
でも、これも工夫で補えます。手順をパターン化しておく、事前に頭の中でシミュレーションしておく。自分なりの「補う方法」を早めに見つけることが、長く続けるコツです。
⑦親が太い人(家族が裕福)
意外に思われるかもしれませんが、これは大きな要素です。「困ったら誰かがやってくれる」環境に慣れていると、自分の頭で考えて自分の手で動く力がなかなか育ちません。
消防の世界では、いざという時に「自分でやり抜く力」が問われる場面が必ず来ます。誰も助けてくれない、自分が判断するしかない。そういう状況で踏ん張れるかどうか。恵まれた環境で育つこと自体は幸運ですが、その分だけ「自力でやり切る経験」を意識して積む必要があります。
僕自身は、7つのうち5つ当てはまっていた
正直に言うと、僕は「一人が好き」「しゃべりが苦手」「休日は仕事とプライベートを分けたい」「不器用」「頭の回転が遅い」の5つが当てはまっていました。正義感はそこまで強くなかったですが、それ以外はほぼドンピシャです。2〜3年目までは指示待ちで、自分で考えて動く力も弱かった。
当てはまっていても、5年半続けられた
もちろん、何もしなかったわけではありません。独り言で話す練習をしたり、知らないコミュニティに飛び込んで対人スキルを磨いたり、不器用な分は人の2〜3倍練習したり。それでようやく人並みでした。
そして、入って少し後悔はしたものの、その後悔を覆すだけの福利厚生や、休日の多さがありました。だから、なんとかバランスが取れていた。苦手を自覚して、補う努力を続けたから、5年半続けられたんだと思います。
それでも、最後まで消えなかった引っかかり
ただ、最後の最後まで、「仕事に行くのが嫌だ」という気持ちは、拭えませんでした。仕事そのものは、やりがいがあって、楽しかったんですけどね。それでも、その引っかかりだけは、ずっと消えなかった。
僕の長所は、体が強くて筋力があること、そして単純作業が得意なこと。同じ作業の繰り返しには向いている。一件一件まったく違う現場に対応する消防の仕事とは、相性が悪かったんだと思います。「このままの気持ちで働き続けるのかな」と思ったとき、転職を考えて、実際に今、転職しています。
当てはまったときの対処法
当てはまる特徴があっても、悲観する必要はありません。大事なのは、向いていない部分とどう付き合うかです。
得意なフィールドで勝負する
全部を平均的にこなす必要はありません。検索や繊細な作業が苦手でも、体力があれば搬送や確保で誰よりも力になれます。要領が悪くても、雑務や資機材の手入れを黙々とやり続ければ、必ず信頼されます。ひとつでも「これは任せろ」と言える分野を作れば、チームに欠かせない存在になります。
改善できる部分は、意識して伸ばす
コミュニケーションや段取りのように、後から伸ばせる部分もあります。意識して行動すれば、必ず伸びます。「向いていない」と気づけたこと自体が、自分を客観的に見られている証拠です。
どうしても合わないなら、転職も選択肢
それでも合わないなら、転職も立派な選択肢です。人は、自分の得意な場所でこそ輝けます。向き不向きは、工夫と場所選びで、いくらでもカバーできます。
▶ 向いてないと感じたときの判断軸|量でカバーできることと、適材適所の見つけ方
それでも、消防士を目指すあなたへ
こうして特徴を並べると、ネガティブに聞こえるかもしれません。でも、これは「目指すな」という話では、まったくありません。
働いてみないと、わからないことはたくさんあります。だからまずは、こういう本音も頭の片隅に置きつつ、消防試験に受かることを、全力で頑張ってほしい。消防士として、社会人として得る経験は、絶対にあなたのプラスになります。だから、後ろめたい気持ちなんて一切なく、堂々と目指してください。
教養試験、面接対策、論文。やることはたくさんあって、本当に大変だと思います。僕もあまり勉強してこなかった側の人間なので、受かるかどうかわからない試験のために勉強するしんどさは、痛いほどわかります。だからこそ、自分を壊さないでください。たまには息抜きもしながら、頑張ってほしいなと思います。応援しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 向いていない特徴に当てはまったら、消防士は諦めるべきですか?
A. いいえ。あくまで「入ってから苦労しやすい・後悔しやすい」傾向であって、知っておけば対策できます。筆者自身も7つ中5つ当てはまっていましたが、5年半勤めました。
Q. コミュ障ですが、消防士は無理でしょうか?
A. コミュニケーション能力は後から改善できます。筆者もコミュ障でしたが、意識して人と関わり続けることで、入った頃より格段に話せるようになりました。大体の人は改善できます。
Q. 一番の後悔ポイントは何でしたか?
A. 筆者の場合は「一人の時間が取りにくい」ことでした。24時間の泊まり勤務は人との距離が近く、一人好きには疲れやすい環境です。ただ福利厚生や休日の多さで、バランスは取れていました。
Q. 向いている人の特徴も知りたいです
A. 「消防士に向いている人の特徴6選」で、現場で機能する人の特徴をまとめています(下の「あわせて読みたい」から読めます)。
あわせて読みたい
▶ 消防士に向いている人の特徴6選 5年半の現場経験から本音で語る
▶ 消防士に向いてないと感じた理由。5年半で辞めた本当の決め手
▶ 向いてないと感じたときの判断軸|量でカバーできることと、適材適所の見つけ方
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
元消防士のトラックドライバー🧑🚒🚚


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