消防士におすすめしない趣味、1選。ボディビルに全てを捧げた元消防士の本音

マインド・考え方

🔥 こんな人に読んでほしい

  • 消防士をしながらボディビル・フィジークの大会を目指している人
  • 筋トレが趣味で、仕事との両立に悩んでいる若手消防士
  • 一つの趣味に、視野を狭められそうになっている人

今日は「消防士におすすめしない趣味」というテーマで、元消防士として本音で書いていきたいと思います。

僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。今年で31歳、トレーニング歴は16年。現役時代には、ボディビルやフィジークの大会に出場した経験もあります。

その経験を踏まえたうえで、結論から言います。消防士に、特に1〜2年目の若手消防士に、おすすめしない趣味。それは「ボディビル・フィジークなどのボディメイク競技」です。

もちろん、これは僕の独断と偏見と持論です。趣味は個人の自由であって、その自由を奪うことは誰にもできません。本当にトレーニングに情熱があって、大会に出たい人は、出たらいいと思います。ただ、実際にやってみて痛感した「きつさ」があるので、これから挑戦しようとしている人のために、共有しておきたいんです。

1. 減量が、想像を絶するきつさ

ボディメイク競技には、減量が付き物です。体脂肪を極限まで落としていく。そのためには、食事制限を絶対にしないといけません。

僕が最初にフィジークの大会に出たのは、消防2〜3年目の頃でした。僕は4ヶ月以上かけて長期で減量するタイプだったのですが、最初の1〜2ヶ月はまだ体に脂肪が残っているので、そんなにきつくない。地獄は、そこからです。

大会前の最後の1ヶ月は、本当に足元がおぼつかない。階段を上るだけでだるい。日中もずっとだるくて、やる気が起きない。ずっと風邪をひいているような症状が、1ヶ月続くんです。

そしてここが消防士の特殊なところですが、その状態のまま、訓練をし、救急に出動し、火災現場に出るわけです。消防の業務は、減量していなくても体に負荷がかかる仕事です。その中での減量は、本当にハードでした。出動が続けば、補食もまともに取れません。当時は職場の人間関係にも悩んでいて、メンタルもかなり沈みました。

2. 「仕事に集中してない」という見られ方をする

減量のきつさと同じくらい応えたのが、職場での「見られ方」です。

食事制限をしていると、どうしても目立ちます。そして、「筋肉ばっかりで、仕事に集中できていないんじゃないか」という見方をしてくる人が、絶対にいます。応援してくれる人ももちろんいます。でも、「そういう競技をやってるから、仕事がうまくいかないんだろう」という言われ方をすることは、覚悟しておいたほうがいい。

今の僕はトラックドライバーで、仕事は一人の責任で完結します。でも消防は、チームで動く仕事です。だからこそ、個人の趣味に対する周囲の目は、思っている以上に厳しい。

正直、職場の人に趣味への理解は「ない」と思っておいたほうがいいです。理解してくれる人もいますが、期待しないこと。社会人1〜2年目は、まず仕事に全力で取り組む姿を見せないといけない時期なので、なおさらです。

3. トレーニングの疲労で、現場で100%が出せない

そして、減量以前に、トレーニングそのものの問題もあります。僕はビッグスリー(ベンチプレス・デッドリフト・スクワット)を中心に、部位を分けて高強度のトレーニングをしていました。すると、疲労は絶対に溜まります。特に僕の場合は、腰でした。

救急出動で、傷病者の方を布担架やバックボードで運ぶとき、毎回、腰にかなりの痛みがあったんです。出動で痛めた部分もありますが、筋トレの影響は否めません。

考えてみてください。筋肉痛や関節の疲労が常にある状態、減量中ならエネルギー不足の状態で、災害現場に立つ。つまり、本当に必要なときに「火事場の馬鹿力」が出せない体で、人命に関わる現場に向かうことになるんです。ボディメイク競技が消防士の仕事にプラスに働くかと言われたら──どう考えても、マイナスです。

4. 正しいトレーニングは、無料では学べない

トレーニングについて、もう一つ伝えたいことがあります。今はYouTubeなどで情報がいくらでも手に入りますが、それを正しく取捨選択できるかは、結局その人次第です。僕も情報はある程度得ていたつもりでしたが、正しいトレーニングができていたかというと、そうではなかった。

僕は3〜4年目で初めてパーソナルジムに通い、そこで正しいフォームと「疲労管理」という概念を学んで、ようやく怪我が減りました。やればやるほど効果が出るわけではなく、疲労をどう管理するかを第一に考える。これは、無料のコンテンツだけでは絶対に身につかなかったと思います。トレーニング歴16年の僕が言うので、間違いないです。本気で体を鍛えるなら、まず専門家に教えを乞うてください。怪我をしてからでは、遅いので。

5. それでも、筋トレ自体はやるべき

ここまで散々「おすすめしない」と書いてきましたが、矛盾するようで大事なことを言います。筋トレ自体は、消防士なら絶対にやるべきです。

体格のいい隊員は、救助現場の確保員のような、力が求められるポジションで頼りにされます。そして、その体はトレーニングと食事でしか作れません。だから、鍛えること自体は仕事への大きな武器になる。それに、絞れた体は単純にかっこいい。自信につながるし、顔つきも変わります。

問題なのは「コンテストに出るレベルの減量と追い込み」であって、筋トレそのものではない。腹筋がうっすら見える程度の、適度な筋トレと適度なダイエット。これはむしろ、すごくおすすめです。ここは、はっきり分けて伝えたいところです。

6. 一つの趣味に、視野を狭くされないでほしい

最後に、いちばん伝えたいことを書きます。当時の僕は、視野が狭くなっていました。職場の人間関係に悩み、仕事がうまくいかず、「筋トレで結果を残して、違う道で成り上がるしかない」と思い込んでいた。今思えば、あれは逃げの選択肢でもありました。

結果、大会では入賞はできたものの、表彰台には届きませんでした。すごくショックだったし、自分の才能のなさを、改めて突きつけられました。

何の趣味でもそうだと思います。極めようとすると、生活の全てを捧げることになる。そして、視野がどんどん狭くなっていく。若手のうちは、まず仕事を全力で頑張るのも一つ。趣味も仕事も全力でやるのも一つ。ただ、どちらにしても「いろんな視野」を持っていてほしいんです。

ただ──これも正直に書きますが、あの経験があったからこそ、「自分に本当に必要なものは何か」という問いを立てられるようになったし、消防だけが全てじゃないと気づけて、転職にも踏み切れました。きついことしかなかったけれど、無駄ではなかった。それでも、これから消防士になる君に同じ道はおすすめしません。大会に出るなら、周りの見られ方と、体への影響を、肝に銘じたうえで挑んでください。

よくある質問(FAQ)

Q. 消防士は筋トレをしないほうがいいの?

A. いいえ、逆です。筋トレ自体は消防士なら絶対にやるべきで、力仕事で頼られる武器になります。おすすめしないのは「コンテストに出るレベルの減量と追い込み」で、適度な筋トレはむしろ推奨です。

Q. なぜボディメイク競技は消防士に向かないの?

A. 極限の減量できつい体のまま命がけの現場に立つことになり、いざという時に力が出せません。さらに職場で「仕事に集中していない」と見られやすい、という現実的なリスクもあります。

Q. 正しい筋トレはどう学べばいい?

A. 無料の情報だけでは取捨選択が難しいです。筆者はパーソナルジムで正しいフォームと「疲労管理」を学んで怪我が減りました。本気で鍛えるなら、まず専門家に教わるのが近道です。

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