消防士の休みは多い?3交代の仕組みと非番・週休の違いを元消防士が解説

勤務表のカレンダーを見上げる消防士のイラスト 消防士のリアル

💡 この記事でわかること

  • 消防士の3交代の回り方(当番カレンダーの図つき)
  • 非番と週休の違い。非番は休みではありません
  • 4連休・7連休・10連休の作り方
  • 休みが多いことのデメリット(長期連休明けに忘れる/お金を使う)

今回は「消防士の休みは多いのか」というテーマで、元消防士として本音で書いていきたいと思います。

僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。

結論から言います。

休みは、めちゃくちゃ多いです。

休みが多いから消防士を目指していい?

僕自身、休みが多いからという理由で消防士を目指しました

先に白状しておきます。

僕が消防士を目指した理由は、休みが多いからでした。

深いところにあったのは、それです。

以前、「休みが多いという理由だけで消防士を目指してはいけない理由」という記事を書きました。発信を始めたばかりのころの記事です。

あれは、自分が一番感じていたところだから書いたんです。

志望動機は、きれいな言葉で塗っていました

当時は面接対策もしました。

「地域に貢献したい」

「社会に貢献したい」

「部活で鍛えた体力があります。消防は体力を使う仕事だと承知しています」

ありきたりな志望動機です。今ならスラスラ言えますが、当時はそこまでの言語化能力もありませんでした。

そして、深いところでは、それが嘘になってしまうんです。

消防士になりたいというのは事実でした。ただ、消防の仕事をよく知らないまま目指していた。 志望動機を、きれいな言葉で塗っていた。

そこは、なめていたなと思います。

休みが多いから、という理由で目指していいのか

そのうえで書きます。

休みが多いから、という理由で目指すのは、全然いいことだと思います。

僕がそうだったように、そういう人はいます。

ただし、条件があります。

ただし「それだけ」が理由なら、やめた方がいい

条件というのは、消防の仕事をちゃんと理解しているかどうかです。

  • どういう仕事なのか
  • 行事ごとがどれだけあるのか
  • 残業はどれくらいあるのか
  • 3交代なのか、2交代なのか
  • 上下関係に自分が納得できるか

巷で言われている「上下関係が厳しい」「消防学校が厳しい」。そういう部分も自分の中で丸め込んで、抑えられる人。

そういう人なら、休みが多いからという理由で目指していいと思います。

あくまで、理由の一つに過ぎないということです。

それだけが理由なら、絶対にやめた方がいい。

消防の3交代とは?非番・週休の違い

消防の3交代とは?勤務・非番・週休の回り方

まず、勤務の形から説明します。

消防の交替制勤務は、2部制と3部制に分かれます。3部制が、いわゆる3交代です。

3交代は、職員を3つのグループに分けて、1日ずつずらして回します。 だから毎日、必ずどこかのグループが署にいます。

僕がいたところは1グループ、2グループ、3グループの3つでした。4月1日が月曜で、1グループから始まったとすると、1か月はこう回ります。

三グループが一日ずつずれて当番に入る四月のカレンダー。四連休の位置つき
4月1日が月曜・1グループ始まりの場合の当番カレンダー

1日行って、2日休み。 これが基本形です。

そして僕がいたところは、ここに手が加わった変則的な3交代でした。

木曜に勤務したグループが、翌日から4連休に入る。 その4日間は、残りの2グループが交代で回します。

カレンダーを見てもらうと分かりますが、1グループの4連休は4月5日から。次は4月26日からです。ちょうど3週間に一度、4連休が回ってきます。 その間に、3グループと2グループにも一度ずつ回っています。

非番と週休の違い|空いている2日の中身

ここが、外から見ていると分からないところです。

カレンダーで色がついていない日を、全部「休み」だと思ってしまいますが、違います。あの2日は、非番と週休に分かれています。

1グループだけを取り出すと、こうなります。

勤務、非番、週休が並ぶ一グループ分の九日間の帯図
1グループ分を取り出したサイクル。4連休の初日は非番
  • 勤務(当番):24時間、署にいます
  • 非番:勤務明けの日です
  • 週休:これが正式な休みです

総務省消防庁の消防白書によると、消防職員の勤務体制は毎日勤務と交替制勤務に大別され、交替制はさらに2部制と3部制に分かれます。

  • 2部制:職員が2部に分かれ、当番・非番の順序で隔日ごとに勤務し、一定の期間で週休日を取る制度
  • 3部制:職員が3部に分かれ、当番・非番・日勤を組み合わせて勤務し、一定期間で週休日を取る制度

指令業務などで4部制を取っている本部もあります。

そして、はっきり書いておきます。

「非番」は勤務明けの日であって、週休日ではありません。

正式な休みは週休日のほうです。非番は、大きな火災や災害が起きれば招集される可能性がある日です。

非番でも召集がかかる

当務明けの「非番」は、大規模な災害があれば召集がかかり、出勤しなければなりません。僕がいた消防本部は人手が少なかったので、召集はわりと頻繁にありました。

つまり、非番の日でも遠出はしづらいし、お酒も飲めない。「これって本当に休み?」と思う日も多かったです。

4連休も、丸4日が休みなわけではない

そうなると、さっきの4連休も見え方が変わります。

4月5日から8日までの4連休。この初日の4月5日は、非番です。

木曜の4日に勤務して、その明けが5日。だから4連休の中身は、非番が1日と、週休が3日ということになります。

4日間まるまる自由、というわけではない。呼ばれる可能性がある日が1日混じっています。

「休みが多い」と言うときに非番を休みに数えるかどうかで、印象がまったく変わります。 求人票や説明会の数字を見るときは、そこを分けて見た方がいいと思います。

7連休・10連休の作り方

そのうえで書きますが、やっぱり休みは多いです。

4連休の前か後ろに、休みを1日入れる。それだけで、7連休になります。

さらに夏季休暇で10日ほど取れることもあります。 10連休です。

一般企業の年末年始やお盆休みより、はるかに長い。それがどこかのタイミングで取れるわけです。

趣味もはかどります。勉強もできます。やりたいことが仕事以外にたくさんある人には、かなりいい職業だと思います。

これが、消防のうまみです。

消防士の長期連休にある、はっきりしたデメリット

いいことばかり書いたので、ここからは逆です。

休みが本当に多いと、だらけます。

これはもう、どうしてもです。

そして、長期連休明けの勤務がきつい。

前の勤務で覚えたことを、忘れてしまうんです。

1〜2年目は連休のたびに忘れる

特に1〜2年目です。

長期連休が明けて署に行くと、「あれ、どういう風だったっけ?」となる。

休みの間に勉強したつもりでも、いざ勤務になると出てこない。

そして言われます。

「忘れるってことは、お前ら今まで何やってきたの?」

「ちゃんと復習したの?」

消防は家で復習ができない|資機材は持ち帰れない

ここが構造的な問題だと思っています。

資機材を持ち帰れないんです。

資機材は災害出動で使うものと定義されています。特殊なものは当然持ち出せません。救助工作車に積んでいるようなものは、絶対に無理です。

万が一ストックがあったとしても、それは災害で壊れたときに使うためのものです。復習用に持ち帰るなんてできません。

ロープくらいは僕も持ち帰っていましたが、本当はダメです。

つまり、勤務の中で覚えるしかない。

だから物覚えのいい人が強い

そうなると、どうなるか。

要領がよくて、1回で覚えられる人が強いです。

消防に向いていると思います。

僕みたいに物覚えが悪い人間にとっては、長期休みはハンデでした。覚えたことが抜けていくので。

同じ休みでも、人によって意味が変わるということです。

休みが多いとお金を使いすぎる|消防士の初任給の目安

もう一つのデメリットです。

休みが多いと、お金を使いすぎます。

給料はそこそこと言っても、そこまでです。

僕が愛知県内の消防を調べた範囲では、いいところで初任給30万円前後。良くないところだと20万円を切るあたりでした。

休みがどれだけ多くても、遊ぶお金がなければ結局できることは限られます。

元消防士の休みの過ごし方と、休みの中の行事

休みの日の過ごし方は、筋トレでした

では休みに何をしていたか。

筋トレです。

理由は単純で、お金がかからないからです。

安いジムなら月3000円台。7〜8千円のところもあります。ゴールドジムでも1万円ちょっと。

それだけ払えば通い放題です。行けば行くほど得なわけです。

長期連休でやることがないので、自然と行く。筋トレをして、読書をして、自己啓発に時間を使う。そういう過ごし方をしていました。

消防士は副業も発信もできない

副業につながることもやっていました。YouTubeの撮影をしたり、動画を編集したり。

当時、消防士の副業解禁の波が来始めていたころだったので、いつ解禁されてもいいように準備していたという感じです。本当はダメなので、あくまで一歩手前です。

ただ、今やっているような発信は、できませんでした。

消防のリアルを全部話す。今のコンセプトはこれですが、これは職場の悪口にもなってしまいます。顔出しもできません。

自己実現はできる職業。ただし、発信という形の自己実現は難しい。 そこはデメリットだと思います。

休みの中に、行事は必ず入ってくる

そして、これを忘れてはいけません。

休みの中に、行事ごとが必ずついて回ります。

非番に普通救命講習。上級救命講習。地区の防災訓練にも駆り出されます。

新人のうちは補助です。「あれ持ってこい、これ持ってこい」。資機材を運ぶ。資機材の説明をする。講師をやるようになれば、ブースごとに訓練を見てほしいと言われる。

休みの日数だけを見ていると、ここが抜けます。

転職して休みは減った。それでも今の方が幸せ

子供がいたら、転職はしていなかったと思う

少し脱線しますが、大事なところなので書きます。

もし子供がいたら、転職という選択肢は取っていなかったかもしれません。

子供ができるということは、安定が必要になるということです。

そして、安定した収入を得るなら、公務員が一番強いと思っています。

理由は財源です。公務員の給料は税収から出ています。税収は、働いている人のほぼ全員が納めているものです。住民税、所得税、社会保険料。企業なら法人税。

企業が一つ2つ潰れても、大崩れしません。 この安定感は、他とは違います。

そこは本当に魅力的だと思います。

休みは減った。それでも今の方が幸せです

僕は5年半続けました。続けようと思えば、続けられたと思います。

ただ、自分のやりたいことが明確になってきて、やってみない手はないなと思った。子供もいなかった。

プロポーズをして、そのあとに転職しました。妻としては、消防士でいてもらった方がベターだったと思います。

今は、給料は上がりました。休みは減りました。

そのうえで、どうか。

今の方が、全然幸せです。

休みが多いことは、人生の幸福度に直結しません。それは、休みが多い職場を経験したからこそ言えることです。

そして皮肉な話ですが、その多い休みの中で自分を見つめ直したから、転職にたどり着きました。 長期連休がなければ、「これは転職した方がいいんじゃないか」とは思わなかったはずです。

休みの中身も、本部ごとに違います

最後に書いておきます。

ここまで書いたのは、僕がいた一つの本部での話です。

2部制か3部制か。4連休がどう回ってくるか。夏季休暇が何日取れるか。行事がどれだけあるか。本部が変われば、まったく変わります。

ただ、それは実名を出さないと意味のない話です。無料の記事で書けることではないので、有料の記事にまとめました。

元消防士として、実名で書いています。

▼受けるなら、ここだと思う5本部

愛知県で本当に受けるべき消防本部、元消防士が実名で5つ選びました

▼逆に、僕ならすすめない5本部

愛知県で受けない方がいい消防本部、元消防士が実名で5つ書きました

▼訓練の時間が取れない構造は、こちらに書きました

訓練なんて、1日に1時間できたらいい方です

▼24時間勤務の中身は、こちらです

指令音より先に目が覚めたら、一人前。元消防士が語る"仮眠時間"の正体

消防士の休みについて、よくある質問

Q1. 非番は休みに入りますか?

入りません。非番は勤務明けの日であって、正式な休みは週休日です。大きな災害があれば招集される可能性もあります。求人票や説明会の「休日数」を見るときは、非番を数えているかどうかで印象がまったく変わります。

Q2. 消防士は本当に休みが多いのですか?

多いです。基本は1日勤務して2日休み。僕がいた本部では3週間に一度、4連休が回ってきました。前後に休みを足せば7連休、夏季休暇なら10日ほど取れることもあります。

Q3. 休みが多いという理由で消防士を目指してもいいですか?

いいと思います。僕自身がそうでした。ただしそれだけが理由ならやめた方がいいです。行事の多さ、残業、上下関係まで理解して納得できるかどうかです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

元消防士のトラックドライバー🧑‍🚒🚚

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