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💡 この記事でわかること
- 愛知県にある消防本部34本部すべての大卒初任給ランキング
- 1位と最下位で月12万円以上、年間だと約147万円も差がつく理由
- 初任給の差を生んでいる「地域手当」の仕組み
- 採用倍率が判明している本部のデータと、倍率72倍という数字のカラクリ
愛知県で消防士を目指すとき、「どこの消防本部を受けるか」で迷う人は多いと思います。
僕は愛知県の消防本部で5年半、消防士として働いていました。その間、他の消防本部の人たちと訓練や救助大会で関わる機会がたくさんありましたが、そこで一番驚いたのが同じ愛知県なのに、給料がまったく違うということでした。
この記事では、愛知県内の消防本部34本部について、公開されている大卒初任給のデータをすべて集めて、ランキング形式で並べました。
愛知県の消防本部34本部・大卒初任給ランキング
まずは一覧です。金額は各本部の大卒程度(I種・大学卒業程度)の初任給で、地域手当を含んだ金額が公表されている本部はその金額です。
| 順位 | 消防本部 | 大卒初任給 | データ年度 | 採用倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 豊田市消防本部 | 308,096円 | 令和7年 | 15.8倍(令和7年度) |
| 2 | 衣浦東部広域連合消防局 | 282,688円 | 令和8年 | 3.1倍(令和7年度) |
| 3 | 名古屋市消防局 | 271,206円 | 令和8年 | 4.6倍(令和7年度) |
| 4 | 豊橋市消防本部 | 261,360円 | 令和8年 | — |
| 5 | 稲沢市消防本部 | 261,360円 | 令和8年 | — |
| 6 | 常滑市消防本部 | 260,172円 | 令和8年 | — |
| 7 | 豊川市消防本部 | 256,608円 | 令和8年 | 5.3倍(令和7年度) |
| 8 | 江南市消防本部 | 256,608円 | 令和8年 | 7倍(令和7年度) |
| 9 | 犬山市消防本部 | 256,608円 | 令和8年 | 6倍(令和7年度) |
| 10 | 海部南部消防組合消防本部 | 256,608円 | 令和8年 | — |
| 11 | 大府市消防本部 | 255,420円 | 令和8年 | — |
| 12 | 知多南部消防組合消防本部 | 254,232円 | 令和8年 | — |
| 13 | 岡崎市消防本部 | 254,150円 | 令和7年 | — |
| 14 | 海部東部消防組合消防本部 | 250,560円 | 令和8年 | — |
| 15 | 尾三消防本部 | 248,160円 | 令和7年 | — |
| 16 | 一宮市消防本部 | 241,000円 | 令和7年 | — |
| 17 | 蟹江町消防本部 | 235,400円 | 令和7年 | — |
| 18 | 春日井市消防本部 | 230,100円 | 令和8年 | 9倍(令和7年度) |
| 19 | 東海市消防本部 | 229,460円 | 令和5年 | 6倍(令和4年度) |
| 20 | 知多中部広域事務組合消防本部 | 223,236円 | 令和8年 | 5.5倍(令和7年度) |
| 21 | 西春日井広域事務組合消防本部 | 216,028円 | 令和5年 | — |
| 22 | 瀬戸市消防本部 | 214,544円 | 令和6年 | — |
| 23 | 津島市消防本部 | 214,544円 | 令和6年 | 7倍(令和2年度) |
| 24 | 知多市消防本部 | 210,870円 | 令和5年 | — |
| 25 | 小牧市消防本部 | 210,000円 | 令和5年 | 3.5倍(令和7年度) |
| 26 | 幸田町消防本部 | 204,504円 | 令和5年 | 3.2倍(令和5年度) |
| 27 | 西尾市消防本部 | 203,720円 | 令和5年 | — |
| 28 | 尾張旭市消防本部 | 203,202円 | 令和5年 | 72倍(令和5年度) |
| 29 | 蒲郡市消防本部 | 202,400円 | 令和6年 | 4倍(令和7年度) |
| 30 | 丹羽広域事務組合消防本部 | 197,451円 | 令和5年 | — |
| 31 | 愛西市消防本部 | 196,000円 | 令和5年 | — |
| 32 | 新城市消防本部 | 191,700円 | 令和5年 | 5.1倍(令和5年度) |
| 33 | 岩倉市消防本部 | 191,700円 | 令和5年 | 5倍(令和5年度) |
| 34 | 田原市消防本部 | 185,200円 | 令和5年 | 9.5倍(令和2年度) |
※公開データをもとに作成。本部によって参照できるデータの年度が異なります(令和5年〜令和8年)。同じ年度同士の比較ではない点にご注意ください。採用倍率は数字が公表されている本部のみ記載しています。正確な最新の金額は、必ず各消防本部の採用案内でご確認ください。
1位と最下位の差は月12万円、年間で約147万円
この表で一番のインパクトは、上と下の差です。
- 1位の豊田市消防本部 308,096円
- 最下位 185,200円
その差は月122,896円。単純に12か月で計算すると、年間およそ147万円の差になります。
同じ愛知県で、同じ大卒で、同じ消防士として働き始めるのに、これだけ違うということです。34本部の平均は233,379円、中央値は232,750円なので、豊田市消防本部がいかに突出しているかがわかると思います。実際、30万円を超えているのは34本部のうち豊田市消防本部だけでした。
なぜ初任給に差がつくのか|地域手当の仕組み
「同じ消防士なのに、なぜここまで違うのか」と思うかもしれません。
大きな理由のひとつが地域手当です。地域手当は、その地域の民間賃金の水準に応じて基本給に上乗せされる手当で、自治体ごとに支給率が決まっています。都市部や企業が集中している自治体ほど支給率が高くなる仕組みです。
豊田市はトヨタ自動車の本社がある自治体で、市の財政も民間賃金の水準も高い。だから地域手当の率も高く、初任給の段階からはっきり差がつきます。逆に、支給率が低い、あるいは支給がない自治体では、基本給がほぼそのまま初任給になります。
つまりこの差は、その消防本部の仕事がきついとか楽だとかではなく、自治体の財政と地域の賃金水準によって決まっているということです。
愛知県の消防士採用倍率はどれくらいか
表の右端に、数字が公表されている本部の採用倍率も載せました。3倍台から15倍台まで、かなり幅があります。
傾向としてわかりやすいのは、初任給が高い本部ほど倍率も高いということです。1位の豊田市消防本部は倍率15.8倍(令和7年度)と、県内でもかなり厳しい数字になっています。給料が高いことは受験生にも当然知られているので、当たり前といえば当たり前です。
倍率72倍という数字のカラクリ
データを集めていて、ひとつ極端な数字がありました。尾張旭市消防本部の令和5年度、72倍です。
ただ、中身を見ると納得できます。これは募集人数1名に対して、申込者が72名だったという数字でした。
規模の小さい消防本部では、その年の採用枠が1名や2名ということが珍しくありません。分母が1名なら、申込が72人集まっただけで倍率は72倍になります。小規模な本部の倍率は、年によって激しく上下するということです。
逆にいえば、倍率の数字だけを見て「ここは無理だ」と切り捨てるのはもったいない、ということでもあります。翌年に採用枠が増えれば、倍率はがらりと変わります。
では、初任給だけで選んでいいのか
ここまで金額の話をしてきましたが、元消防士として正直に言うと、初任給だけで受ける消防本部を決めるのは危険です。
理由は単純で、実際に働いてみて効いてくるのは、数字に出てこない部分だからです。
- 配属される署や出張所によって、通勤時間がまったく変わる
- 本部の規模によって、キャリアの選び方(救急・救助・警防)の自由度が変わる
- 組織の大きさによって、人間関係の広さ・狭さが変わる
- 本部ごとに、訓練や行事への力の入れ方の空気がまるで違う
給料が高い本部には高いなりの、給料が控えめな本部には控えめなりの、それぞれ良い面と、正直しんどい面があります。そしてそれは、募集要項を読んでもどこにも書いてありません。
元消防士が選ぶ「受けて間違いない愛知県の消防本部5選」
この34本部のなかで、僕が自分の経験と、同期・先輩・後輩から聞いた話をもとに「ここは受けて間違いない」と思う5本部を、実名でnoteに書きました。
それぞれの雰囲気、人間関係、キャリアの積み方、そして正直あまり良くないと感じた点まで、募集要項には絶対に載っていないことを書いています。1本部目(初任給1位のあの本部です)は無料で読めます。
逆に「受けない方がいい」と思う5つも書きました
同じ34本部の中から、僕が「ここは受けない方がいい」と思う5つを実名で挙げた記事もあります。実際に報道された懲戒処分や、職員数のデータもあわせて載せました。番外編として、組織のトップが、よそへ移ろうとした部下の採用試験を辞退させて処分された本部も取り上げています。
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よくある質問
Q. 初任給が高い消防本部を選べば、生涯年収も高くなりますか?
地域手当の支給率は初任給だけでなく給料全体に効いてくるので、基本的には差が続く傾向にあります。ただし昇任のスピードや手当の付き方は本部ごとに違いますし、自治体の財政状況も年々変わります。初任給はあくまで入口の目安と考えるのが現実的です。
Q. 組合の消防本部(○○広域連合・○○消防組合)は市の消防本部と何が違いますか?
複数の市町村が共同で運営している消防本部のことです。管轄が複数の市町にまたがるため、配属先によって通勤距離が大きく変わる点が、市単独の消防本部との一番の違いになります。住む場所を決める前に、管轄エリアの広さは必ず確認しておいた方がいいです。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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