「救急救命士でも、休みは少ないですか?」元消防士が答える、救命士がむしろ忙しい4つの理由

消防士のリアル

💡 この記事のポイント

  • 「救急救命士は休みが少ない?」という質問に、元消防士が本音で回答
  • 結論:むしろ一般の消防職員より救命士の方が忙しい
  • 理由は①救命講習に引っ張りだこ ②病院実習が必須 ③救急隊配属が多い ④出動後の残業・報告書

今日は「救急救命士の忙しさ」というテーマで書いていきたいと思います。

僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。

以前、「休みが多いという理由だけで消防士になるな」という投稿をしたところ、ありがたいことに、たくさんの方に見ていただきました。その中で、こんな趣旨のメッセージをいただきました。
「自分は救急救命士なのですが、救命士でも、同じようなことはあるのでしょうか?」。今日は、このメッセージにお答えしていきます。

なお、ここでいう救命士とは、消防職員として働いている救急救命士の方を指します。病院勤務の院内救命士ではなく、消防士として現場に出ている救命士、というイメージで読んでいただければと思います。

先に結論から言うと、むしろ一般の消防職員よりも、救命士の方が忙しいです。その理由を、4つに分けてお話しします。

1. 救命講習に引っ張りだこになる

救命士は、救命に対するスペシャリストです。だからこそ、普通救命講習や上級救命講習に、講師として引っ張りだこになります。

非番の日にも、こうした講習や行事に出ていくことが多くて、月に1〜2回は行っているイメージです。一般の職員と比べても、救命講習に行く頻度は倍くらいになります。僕も付き添いで講師をやらせてもらったことがありますが、救命士の方は本当に引っ張りだこだなと感じました。

2. 病院実習が必須になる

救命士には、病院実習というものがあります。特定行為、つまり医師の指示のもとで行う医療行為は、現場だけではなかなか身につきません。救命士の資格を取ったら終わり、ではないんです。気管挿管や静脈路確保といった手技を、実際の患者さんに対して病院で行い、技術を鈍らせないようにしておく必要があります。

この病院実習を一定以上受けていないと、現場で救命士として特定行為ができなくなってしまう、と記憶しています。だから、必ず受けないといけない。実習の期間は日勤で働いたり、泊まり込みになることもありますし、実習が終わったあとも、普通に消防署で勤務します。結果として、休みはむしろ少なくなるイメージです。

3. 救急隊に配属されることが多い

救命士として雇ってもらっている以上、救命士としての道が舗装されている、というイメージがあります。ですので、本人がどう思うかに関わらず、救急隊に隊編成されることが、どうしても多くなります。

体感では6〜7割くらいでしょうか。これはもう、逃れられない事実だと思います。最近は、救助隊として救命士の資格を持った方も増えてきている、という現状もあります。

4. 出動後の残業と、報告書の多さ

救急隊は、朝方の出動も当然あります。引き継ぎ間際に出動すると、自分たちの係で対応しないといけないので、帰ってこられない=残業になります。

特にCPA(心肺停止)のような事案では、救急活動報告書を、手書きで、1分1秒単位の時系列で正確に書いていく必要があります。病院での滞在も長くなりがちで、帰ってくるのに2〜3時間かかることもあります。

しかも、署に戻ってからも、今度はパソコンで事案の打ち込みをしなければいけません。これは年間の統計に使ったり、万が一、医療行為について患者さんやご家族から訴えられたときに、処置内容や時系列を正確に証明する資料になったりするためです。こうして報告書を仕上げていると、帰るのがお昼前になることも普通にありますし、その後にさらに講習が入っている人もいます。非番の日も働き詰め、という方は珍しくありません。

おわりに:救命士は、むしろ忙しい

そんなわけで、「救命士でも、休みは少ないですか?」というご質問に対しての僕の答えは、「むしろ救命士の方が忙しいですよ」というものです。

もしかすると僕のいた消防だけの話なのかな、とも思いましたが、他の消防でも、救命士の方はやはり忙しいイメージがあります。それでも、人の命を最前線で救うという、何にも代えがたいやりがいのある仕事です。救命士を目指す方の、参考になれば嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

よくある質問(FAQ)

Q. 救命士は一般の消防職員より休みが少ない?

A. 体感ではそうです。救命講習の講師、病院実習、救急隊配属、出動後の残業・報告書など、救命士ならではの業務が多く、非番の日も働き詰めになりがちです。

Q. 病院実習とは何ですか?

A. 気管挿管や静脈路確保などの特定行為の技術を維持するため、実際の患者さんに対して病院で行う実習です。一定以上受けないと現場で特定行為ができなくなるため、必須になります。

Q. それでも救命士を目指す価値はありますか?

A. 忙しさはありますが、人の命を最前線で救う、何にも代えがたいやりがいのある仕事です。忙しさの実態を知ったうえで、覚悟を持って目指せば、必ず大きな経験になります。

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