🔥 こんな人に読んでほしい
- 「最近の若手はなめている」と感じている、指導する立場の人
- できないことを「やる気がない」と決めつけられて、苦しい人
- 結果だけでなく、そこに至る「過程」の価値を考えたい人
今回は「社会人としての心構えと、指導する側の責任」というテーマで、元消防士として本音で書いていきたいと思います。
僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。
先日、こんな趣旨のメッセージをいただきました。「社会人なめんな。そういうことを全部やった上で、結果が求められるんだよ」と。
最初に言っておくと、この指摘そのものは、本当におっしゃる通りだと思っています。そのうえで、僕が現場で見てきたことを、正直に書いていきます。
そもそも「なめてかかってくる人」は、ほとんどいない
まず、僕の実感からお伝えします。
態度がなめているように見える人は、確かにいます。でも、本気で仕事をなめてかかってくる人というのは、基本的にいないと思うんです。
少なくとも僕は、悪意を持って仕事をなめている人を、現場でほとんど見たことがありません。じゃあ、なぜ「なめている」ように見えてしまうのか。そこには、環境の問題があると思っています。
なめられるのは、教える側の問題でもある
これは、指導する側にいた人間としての反省も込めてですが、なめられるかどうかは、教える側の態度で決まる部分がかなり大きいです。
「いいよ、いいよ」で済ませてしまうと、結局なめてかかられてしまう。締めるところは締める。フランクに行けるところは、気軽に接してもらう。このメリハリをつけないと、関係性が崩れていきます。
そして、いちばん大事なのはここです。教える側が”教えること”をなめていると、教えられる側も必ずなめます。 これは間違いないと思っています。
なめられる先輩には、共通点がある
厳しい言い方になりますが、なめられてしまう先輩には、だいたい共通点があります。
- 態度が弱々しい
- 教えるのが上手ではない
- 聞かれたことに、ちゃんと答えられない
こうなると、教えられる側はどうしても先輩を下に見てしまいます。そして、なめてかかる可能性が高くなる。
つまり、なめているのは仕事に対してというより、人に対してなんです。ここを取り違えると、「最近の若手は」という話で終わってしまいます。
若手は、環境次第でどちらにも転ぶ
若手というのは、環境次第でどちらにも転べる存在だと思っています。
締めるところは締めて、気軽に行けるところは気軽に。そういう関係性をまず作らないと、若手の可能性はどんどん潰れていってしまう。逆に、いい環境に置かれれば、いくらでも伸びていきます。
だからこそ、先輩の側の責任は重いと思うんです。
「できない」と「なめている」は、まったく違う
「そんなもの覚えて当たり前。全部やった上で結果が求められる」──これは、繰り返しますが、本当にその通りです。
ただ、ひとつだけ言わせてください。個人の能力には、どうしても差があります。
覚えるのに時間がかかる。要領が悪い。段取りが下手。そういう人はいます。でも、それをもって「社会をなめている」と決めつけるのは、違うんじゃないかと思うんです。
本当になめてかかっている人は、締めたほうがいい。でも、ただ「できない」だけの人には、導いてあげることが何より大事だと思います。
僕自身が、見捨てられなかった側の人間でした。要領も物覚えも良くない僕に、先輩たちは本当に丁寧に教えてくれました。
消防士には、思いやりがあって、人の役に立ちたいという人が本当に多い。だから、困っている後輩に手を差し伸べてくれる人がたくさんいます。僕はそれに助けられました。
結果は当たり前。でも「過程」を軽く見ないでほしい
結果を求められるのは、当たり前のことです。価値を提供して、その対価としてお給料をいただいているわけですから。
そのうえで僕が言いたいのは、結果にたどり着くまでの「過程」も、同じくらい大事だということです。
というのも、ひと口に「結果を出す」と言っても、そこにたどり着くまでの道のりは、仕事によってまるで違うと思うからです。
たとえば、世の中には、専門的な資格や長い下積みを必要とせずに、比較的短い期間でお金という結果に結びつけられる仕事もあります。性を売るサービス業などは、その代表かもしれません。僕自身は経験がないので断言はできませんし、その仕事にはその仕事なりの苦労があるはずですが、少なくとも「専門性を積み上げる年月」という意味では、他の仕事と大きく違うと思っています。
一方で、同じ「結果を出す」でも、そこに至るまでに何年もかかる仕事があります。
たとえば、救急救命士として最前線で救急隊長を務める。この一言の裏側には、こんな道のりがあります。
- まず、養成所に通うために、だいたい5年〜10年の現場経験を積む
- 所内の選抜で「養成所に行かせる人間」に選ばれる
- 半年間の養成所に通い、国家試験の勉強をして合格する
- そこから包括救命士、薬剤投与認定救命士、処置拡大認定救命士、気管挿管認定救命士と、年に1回ずつ段階を上げていく
- さらに隊長となれば、知識と経験に加えて、隊の責任とマネジメントを背負う
- 新人消防士に、たった2つだけ伝えたいこと。元消防士が心から願う”生き方”の話
- 元コミュ障の消防士が語る、「コミュ障こそ場数を踏むべき理由」〜仕事ができる人の共通点〜
これだけでも、とんでもない時間と知識量と経験が必要です。「結果を出すのは当たり前」の一言では片づけられない重さが、この過程にはあると思っています。
過程を大事にすると、自分が見えてくる
これは、これから消防士を目指す人にも言いたいことです。
「試験に受かったから良かった」で終わらせないでほしい。そのために何をすればいいのか、どんな努力が必要なのか。勉強もそうですし、面接対策もそうです。
特に面接対策で「自分は何をやってきたか」を深掘りしていくと、自分という人間が、どんどん見えてきます。 その過程こそが、人間力をつくっていくんじゃないかと思っています。
おまけ:「言語化」は、キャリアの武器になる
最後に、少し発信の話を。
僕はいま、自分の話した言葉を文字起こししてもらって、それをもとに記事を書いています。話し言葉のまま形にしていく作業なんですが、これをやっていると言語化の力がすごく鍛えられるんです。
言語化を鍛えるのに一番いいのは、実は「独り言」だと思っています。自分の思っていることを、言葉にして口に出せる。これができるかどうかは、今後キャリアを積んでいくうえで、大きな強みになります。
正直に言うと、僕の”動機”はなめていました
最後に、自分のことも正直に書いておきます。
僕は「社会人をなめている」つもりはありません。ただ、消防士を目指した”動機”は、完全になめていました。 「休みが多そうだから」という理由で受けたので、これは言い訳のしようがありません。
でも、実際に入ってみたら、想像を絶するほど厳しい仕事でした。覚えることもとんでもなく多かった。どんな仕事にも、覚えることは山のようにあります。
だからこそ思うんです。なめていたら、一生何もできずに終わります。 なめている態度は、教える側にはすぐ伝わる。伝われば、教えてもらえなくなる。教えてもらえなければ、スキルは絶対に伸びない。
結果を求められるのは当たり前。それを受け止めたうえで、目の前のことを一つずつ覚えていく。それしかないと、僕は思っています。
よくある質問
Q. 後輩になめられてしまいます。どうすればいいですか?
A. まず「締めるところは締める、フランクに行けるところは気軽に」というメリハリをつけることです。そのうえで、聞かれたことにきちんと答えられる状態を作ること。教える側が”教えること”に本気でないと、教えられる側も本気になりません。
Q. できない後輩と、なめている後輩の違いは何ですか?
A. 本気でなめている人は、そもそも悩みません。覚えるのに時間がかかる、要領が悪いというのは「できない」であって「なめている」ではありません。前者は導けば伸びますが、両者を取り違えると、伸びるはずの若手を潰してしまいます。
Q. 救急救命士になるまでには、どれくらいかかるのですか?
A. 消防本部にもよりますが、養成所に行くまでにおよそ5〜10年の現場経験と所内の選抜があり、そこから半年間の養成所と国家試験。資格取得後も、包括的指示下での処置から薬剤投与・処置拡大・気管挿管と、認定を段階的に積み上げていきます。詳細は志望する消防本部にご確認ください。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
元消防士のトラックドライバー🧑🚒🚚


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