向いてないと感じたときの判断軸|量でカバーできることと、適材適所の見つけ方

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🔥 こんな人に読んでほしい

  • 補欠だった同級生が、大学で主将になるまで
  • パソコンも使えなかった彼が、ウェブライターになった話
  • 「向いてない」が言い訳になるときと、事実になるときの線引き
  • 消防士に向いていなかった僕が、転職して救われた話

今日は「向いてない」というテーマで話していきたいと思います。

僕自身、学生時代は小中高と野球をやり、大学ではアメフトをやってきました。その中で印象に残っている、ある同級生の話と、僕自身が消防の世界で感じてきたことを重ねながらお伝えできればと思います。

補欠だった同級生・ジョージの話

高校では補欠。最後の大会はスタンドだった

高校時代に、ジョージくん(仮名)という子がいました。

僕が通っていたのは、甲子園にも出場したことのある、県内では強豪と言われる高校でした。その中でジョージくんは、いわゆる補欠でした。AチームからCチームまであるとして、Aチームが一番レベルの高いチームだとすると、彼はBチームやCチームの練習に参加しているような立場で、試合にもなかなか出られませんでした。3年生最後の大会では、ベンチ入りすらできず、スタンドで応援していました。

決して野球が下手だったわけではありません。バッティングはシュアで、一発当たれば大きいパンチ力もありました。それでも、活躍の場には恵まれなかったのです。

一方の僕は、自分で言うのもなんですが、当時はそこそこ上手いほうで、ベンチ入りができて、代打として起用されていました。強い高校だと最後までメンバーに入れない子も多い中で、僕は無事に入ることができていました。

そんなジョージくんが印象的だったのは、とにかく努力家だったことです。意識が高く、行動力があり、愚直に努力するタイプ。居残り練習は欠かさず、すぐに帰るようなことは一度もありませんでした。それでも、高校時代はメンバーにすら入れなかった。本当に残念な結果でした。

大学で、立場が逆転した

その後、僕は大学でアメフトを始めるのですが、ジョージくんも同じチームに進学し、一緒にアメフトをやることになりました。そして、立場が逆転しました。

僕はアメフトでは目立つ選手にはなれず、本当に大したことのない選手でした。ところが彼は、なんとキャプテン(主将)を務めることになったのです。主将を、それも全国大会に出るようなチームの主将を任されるということは、当然それだけの実力があったということです。

彼のポジションはディフェンスのラインマンでした。体が強く、関東・関西の1部リーグのラインマンにもしっかり対抗できるほどの実力で、リーグのベストイレブンにも選ばれていました。

なぜ彼が大学で開花できたのか。彼は高校時代から、当時はまだウェイトトレーニングをやっている高校が少なかった頃に、しっかりとウェイトをやり込んでいました。もともと体が強かったこともあり、その積み重ねた土台が、アメフトという競技でそのまま強みとして発揮されたのです。

これを見て、本当に「適材適所」というものはあるのだと感じました。そして、努力の方向性さえ間違っていなければ、人は必ず輝ける場所があるのだと。

野球部からアメフト部へ、奇しくも似たルート

ジョージとは高校の野球部で一緒になり、その後、僕は大学でアメフト部に所属したのですが、彼も同じようにアメフトの道に進みました。高校から野球部の補助として筋トレを始め、2人ともすっかり筋トレにハマっていったのも共通点です。

アメフトでのポジションは、体格を見てランダムに決められました。僕はレシーバー、つまりボールをキャッチするポジションです。アイシールド21でいう、桜庭や門田のようなポジションですね。一方でジョージは肩幅が広く、体格も大きかったので、ラインマンとしてアメフトでどんどん頭角を現していきました。

僕自身、自分で言うのもなんですが、高校の野球ではそこそこ上手く、甲子園に出るようなレベルの高い高校でベンチ入りもできました。その実力には満足していました。新たな挑戦としてアメフトを選んだのは、もともと筋トレが好きで、体を鍛えることが自分の好きなことに直結すると思ったからです。

それでも彼は、「向いてない」で止まらなかった

ここからは、社会人になってからの彼の話です。適材適所があるという話と、これから書く「量」の話は、矛盾しません。その理由は後で書きます。

パソコンも使えなかった彼が、ウェブライターになった

ジョージは弱音をほとんど吐かない男でした。「これくらいいけるだろう」と言ってくれることに、僕は何度も勇気づけられました。

印象に残っているエピソードがあります。当時の彼はパソコンを持っておらず、使い方もまったくわかりませんでした。大学の単位を取るために、彼の手書きのレポートを僕がタイピングして打ち込んであげていたのです。正直、面倒くさかったです。それでも、ご飯をおごってくれたりするので、「まあやってやるか」という気持ちでやっていました。

そんなパソコンが一切できなかった彼が、今ではウェブライターをやり、SNSにも力を入れ、記事まで書いています。それを目の当たりにして、「向いていなくても、数を打つだけでここまでできるようになるのか」と、本当に驚かされました。

10秒に1回、声をかけ続ける男

社会人になってからも、僕とジョージはよく一緒に遊びました。飲みに行ったり、トレーニングが好きという共通の趣味で合トレをしたり。そして、2人とも女の子が好きだったので、よくナンパにも出かけました。

このナンパの仕方からして、彼は徹底していました。とにかく数を打つのです。やたらと声をかける。目が合ったら、もう声をかける。なんと、10秒に1回のペースで声をかけ続けるのです。「数打てば当たる」という、彼なりの論理でした。

最初はその勢いに圧倒されましたが、見ているうちに「本当にその通りだな」と思うようになりました。そこで僕も真似をして、頑張って数を打つようにしたのです。彼が声をかけたところに僕がフォローで入って、連絡先を聞いたりもしました。実際に連絡先を交換できたこともありましたし、その後につながったパターンもあって、彼のやり方は本当に参考になりました。何より、すごく楽しかったです。

そうやって彼と遊んでいるうちに、僕は仕事も少しずつ覚えていきましたし、何よりメンタルが鍛えられました。いろんな人に声をかけることで、ハートが強くなっていったのです。

彼の強みは、打たれ強さと、いい意味でのふてぶてしさでした。どれだけうまくいかなくても、まったく動じないのです。だからこそ、あれだけ声をかけ続けられるのです。その動じなさは、もともとの性格もあるでしょうが、何より「量」から来ているのだと、彼を観察していて感じました。

僕に足りないのは、まさにこの根拠のない自信でした。僕はすぐに動じてしまうタイプです。野球でもアメフトでも、スタメンがかかったプレッシャーの場面でミスをして、結果を出せないことが続きました。

量がくれる、打たれ強さ

ジョージは決して器用なタイプではありません。けれど、人より2〜3倍は練習をする男でした。その積み重ねがアメフトでも生き、打たれ強さを培っていったのだと思います。

僕は、彼からその姿勢を学びました。そして実際に仕事の中で実践していくうちに、自分でも打たれ強さが身についていったのを感じます。たとえば訓練のとき、先輩に見られているという緊張の中でも、以前より平常心を保てるようになりました。その結果、訓練でミスをする回数も減っていったのです。

一人が好きで、友達も多いわけではありません。けれどコミュ障というわけでもなく、量をこなすことで力強さを身につけていった男です。同級生として昔から見てきて、僕は彼を心からリスペクトしています。

「向いてない」と立ち止まりそうになったとき、僕はいつも彼のことを思い出します。

消防士に向いていなかった、僕の話

不器用さも要領の悪さも、鍛えても人並みだった

ここからは僕自身の話です。僕は消防士を5年半やっていましたが、ずっと「向いていないな」と感じていました。不器用さ、要領の悪さ、頭の回転の悪さ。こうしたものは、いくら鍛えても人並みにしかなりませんでした。

消防という仕事の特性上、こうした能力はどうしても必要になります。そこが足りないと、仕事として高いレベルにはなかなか到達できません。「本当に向いていないな」と思う場面が、いくつもありました。

もともとの性格として、僕はじっくり考えてから行動したいタイプです。パッと即決して、パッと動く、ということが苦手で、どちらかというとフットワークの重い人間でした。それを改善しようといろいろやってきましたが、やはり人並み、正直に言えば人並み以下だったと思います。それでも一応、なんとか仕事にはなっていました。

周りの「期待」と、本当の適性のギャップ

消防署では、僕に対して「体が強いから、救助隊や消防隊でガツガツやっていく人間だろう」という、ある種の偏見というか雰囲気がありました。アメフトで鍛えた体があったので、「君はそっちに進んでいくよね」という空気です。

ところが自分自身としては、意外と救急の仕事が向いていたり、機関員(車両の運転や機械の操作)が向いていたりしました。そこに、周りの期待と本当の適性とのギャップがあったのです。

周りからそういう目で見られるので、向いていない分野を頑張らなければならない。でも向いていないから、思ったような実力が出せない。この適材適所のズレを、今、転職してあらためて強く感じています。

「向いてない」は言い訳か、事実か|僕なりの線引き

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。

補欠だった彼は、場所を変えて主将になりました。同時に、パソコンも使えなかった彼が、量を打ってウェブライターになりました。一見すると逆のことを言っているようですが、順番の問題です。

僕の線引きはこうです。

一つ、まず量をやり切る。やる前から「向いてない」と言うのは、ただの言い訳です。向き不向きはたしかにあります。けれど、周りはそんなことを気に留めてはくれません。向いていないからこそ努力して、できるまでやる。人並みになるまでやり切る。そこにもちゃんと価値があります。

2つ、やり切っても人並み止まりなら、そこは適性の話。僕は消防で、人の倍考えて、努力して、自己啓発もして、ようやく人並みでした。一方で今のトラックドライバーの仕事は、さほど苦労もなく運転でき、業務も効率化してこなせています。やはり適性はあります。

3つ、場所を変えるのは逃げではない。やり切った上での移動は、撤退ではなく配置換えです。

順番を飛ばして3つ目に行くと、ただの逃げになります。逆に、1つ目だけで止まり続けると、人並み止まりの場所で一生を使うことになります。量をやり切った人だけが、適材適所を語っていい。僕はそう思っています。

転職して、救われた

5年半勤めて、僕は転職しました。

人付き合いが得意ではない僕にとって、一人で完結する今の仕事は、本当にストレスがありません。もともと運転が得意だったこともあり、自分の持っているスキルがそのまま活かせていて、毎日が楽しいと感じています。

運転に関しては、これまでほとんど怒られたことがありませんでした。怒られないということは、すなわち向いているということなのだろう。そう思って自分を信じてやってきた結果が、今につながっています。向いていない場所から抜け出して、好きなこと・得意なことをやれている。正直、救われたなと思っています。

今、悩んでいるあなたへ

今、消防士をやっていて、すごく悩んでいる人がいると思います。救助隊や消防隊で訓練がうまくいかない、上司に怒られてばかり、空気が読めない、動きすぎてかえってよく思われない……。そういう人は、決して少なくないはずです。

そんなあなたに伝えたいのは、「自分が輝ける場所は、絶対にある」ということです。

それは消防の仕事の中にあるかもしれませんし、消防以外の仕事かもしれません。この日本には、それこそ何万社という会社があります。その中に、あなたの得意を活かせる場所が必ずあるはずです。得意なことは収入にもつながりますし、今まで稼げなかった分が稼げるようにもなります。ここだけが全てではないのです。

もちろん、消防士として頑張っていきたい人もいるでしょう。その場合も、今やっている仕事が本当に自分に向いているのか、一度考えてみてほしいと思います。救急をやっているけれど、本当は救助で頑張りたい――そんな思いがあるなら、その声を大事にしてください。

まとめ:適材適所は必ずある。ただし、量をやり切った先に

補欠だったジョージくんが、大学では主将になった。向いていなかった僕が、転職して救われた。だからこそ言えます。適材適所は、必ずあります。

努力の方向性さえ間違っていなければ、人は必ず輝ける場所がある。若手の社会人の方、今まさに悩んでいる方。どうか、頑張ってください。

よくある質問

Q.「適材適所」と「向いてないは言い訳」は矛盾しませんか?
A. 矛盾しません。順番の問題です。まず量をやり切る。やり切っても人並み止まりなら、そこは適性の話。場所を変えるのは、やり切った人にとっては逃げではなく配置換えです。

Q. 本当に向いていないことでも、できるようになりますか?
A. 適性はたしかにあります。それでも「これだ」と思ったことに数を打って打ち込めば、人並み以上にはなれます。補欠だった友人がキャプテンになったように、量は人を変えます。

Q. 今の仕事が向いていないと感じます。辞めるべきですか?
A. すぐ辞める必要はありませんが、「本当に自分に向いているか」を一度立ち止まって考える価値はあります。向いている場所では、同じ努力でも成果が段違いに出やすくなります。

Q. 自分の得意が分かりません。
A.「怒られない」「自然と続けられる」ことがヒントです。僕は運転でほとんど怒られず、それが向いているサインでした。小さな得意から、活かせる場所を探してみてください。

Q. 打たれ強くなるにはどうすればいいですか?
A. 量をこなすことです。たくさん挑戦して、たくさん失敗する。その積み重ねが「動じなさ」を作ります。僕自身、数を打つうちに緊張する場面でも平常心を保てるようになりました。

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