🔥 こんな人に読んでほしい
- 今年から現場に立ちはじめた、新人消防士の方
- 「思ったことを言っていいのか」と、職場で迷っている人
- 周りの意見に流されて、進む道を決めそうになっている人
- 「社会人なめんな」と言われて。元消防士が思う、”なめている新人”が生まれる本当の理由
今回は「新人消防士です。一番心に秘めておいた方がいいことを教えてください」というご質問について、元消防士として本音で書いていきたいと思います。
僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。
もし僕が新人に戻れるなら。そして、これから現場に立つ後輩に何か一つだけ伝えられるなら。伝えたいことは、たった2つです。
1つ目:絶対に、死なないでください
まず、これに尽きます。絶対に死なないでください。殉職しないでください。
以前、「同僚がフラッシュオーバーに巻き込まれた日」という話を書きました。あの現場は、本当に紙一重でした。仲間が命を落としてもおかしくなかった。あの日のことを思い出すたび、この気持ちが強くなります。
そして今も、災害の現場では多くの人が命がけで働いています。輪島市をはじめとする北陸の震災(能登半島地震)のとき。そして、今年7月末に起きた熊本の地震。被災された方々は今も大変な状況にあり、復旧に向けた支援が続いています。発災の直後には、消防、警察、自衛隊の方々が、過酷な現場で活動されていました。
そういう現場を思うたびに、強く感じるんです。どうか、生きて帰ってきてほしい。
人生は、限りがあるから
当たり前の話ですが、人生には限りがあります。
その限られた人生の中で、やりたいことがきっとたくさんあるはずです。行きたい場所も、会いたい人も、まだ見ていない景色も。
だからこそ、仕事の最中に命を落としてしまうことだけは、本当にしてほしくない。火災現場のフラッシュオーバーでも、震災の現場でも、何かに巻き込まれて命を落とすようなことは、絶対に避けてほしいんです。
もちろん、消防は危険と隣り合わせの仕事です。それでも「絶対に死なない」という意識を、心のいちばん奥に置いておいてほしい。それが、僕が一番に伝えたいことです。
2つ目:自分を、一番大切にしてください
もう一つは、自分を一番大切にすること。そして、自分の気持ちに正直に生きることです。
まず知っておいてほしいのは、思うことは自由だということ。「これは嫌だな」と感じる気持ちも、まったく自由です。「そんなふうに思っちゃいけない」なんてことは、絶対にありません。
その感じた気持ちを、どうか大事にしてください。それは間違いなく、今後の人生でプラスに働きます。
ただし、それをそのまま口に出すかどうかは、また別の話です。正直に言ってしまえば、よく思わない先輩もいるのが現実ですから。思うことは自由。出し方は選ぶ。 そのくらいの距離感でいいと思います。
「思うことは自由、出し方は選ぶ」を、どう実践するか
ここからは、ブログだからこそ書き足しておきたいことです。「出し方を選ぶ」と言われても、具体的にどうすればいいのか分からないと思うので、僕なりのやり方を3つだけ。
ひとつ目は、その場ですぐ言わないこと。腹が立った瞬間に出た言葉は、たいてい後悔します。一晩置いてもまだ同じことを思っているなら、それは本物の違和感です。逆に、翌日どうでもよくなっているなら、言わなくていい話だった、ということになります。
ふたつ目は、言う相手を選ぶこと。全員に伝える必要はありません。話を聞いてくれる先輩が一人いれば十分です。僕も、本音を言えるのは限られた先輩だけでした。それで何も困りませんでした。
みっつ目は、「事実」と「気持ち」を分けて話すこと。「あの言い方はひどいと思います」だけだと、感情のぶつけ合いになります。「こう言われて、こう受け取りました」と、起きたことと自分の受け止めを分けて伝えると、伝わり方がまるで変わります。
気持ちを押し殺すのでも、そのままぶつけるのでもない。その真ん中があるということだけ、頭の隅に置いておいてください。
自分の責任で動いた経験は、必ず自分に残る
なぜ「自分の気持ちに正直に」と言うのか。理由があります。
自分の気持ちに正直に生きると、自分の取った行動に納得ができるからです。
逆に、他人に流されてばかりで動いていると、どうなるか。うまくいかなかったときに「あの人がそう言ったから」「こんなはずじゃなかった」と、他責思考に陥ってしまう。これは、人生の充実度という意味で、あまりよろしくありません。
自分の責任で行動して、自分で納得する。そうすれば、成功しても失敗しても、その経験は自分の中にちゃんと残ります。なぜダメだったのかも、自分で整理できる。それが次につながっていくんです。
もちろん、新人のうちは流されるのも仕方ない部分はあります。それでも、少しずつでいい。「自分で決めた」と言える行動を増やしていってほしいと思います。
進路も、自分の軸で選んでいい
これは、進む道を選ぶときにも当てはまります。
警防の道に進むのか。救助隊として頑張りたいのか。救急をやっていきたいのか。周りの意見に流されず、自分がやりたいことを軸にしてほしいんです。
たとえば、よくしてくれる先輩が救助隊で、「お前は救助だろ」と言われることもあるかもしれません。でも、あなたの中に「自分は救急でやっていきたい」「機関員として頑張りたい」という気持ちがあるなら、その気持ちを大事にしてほしい。
自分で選んだ道は、必ず今後の”得意”につながっていきます。そして、自分の軸で決めたことなら、結果がどうであれ納得できるはずです。
一生懸命やっていれば、必ず見ている人がいる
「そんなことを言ったら、先輩に嫌われないだろうか」。そう不安になるかもしれません。
たしかに、急に態度が冷たくなったり、扱いが雑になったりすることもあるかもしれない。でも大丈夫です。違う先輩が、必ず見ています。
一生懸命やっていれば、人はちゃんと見ている。必ず、手を差し伸べてくれる先輩が現れます。
そもそも、消防士になろうという人は、根っこが思いやりのある人間だと僕は思っています。人助けがしたくて入ってきているのが前提の世界です。僕自身、最初は「休みが多いから」なんて動機で入った人間ですが、それでも人を助けたいという気持ちは、働くうちに確かに育まれていきました。
今は、目の前のことに全集中でいい
最後に、もう一つだけ。仕事中は、手を抜かないでください。
続けていくうちに、力を入れるところ、少し抜いてもいいところは、自然と分かってきます。でも今は、その見極めよりも、目の前のことに全集中して一生懸命やる。それでいいと思います。
先輩や上司は、必ず見ています。見ていない、ということはありません。
もし、それでも認めようとせず、心ないことを言ってくる人がいたら。そういう人の言葉は、無視してもらって結構です。
今やるべきことに集中する。それだけを、まずは頑張ってほしい。
あなたのこれからの消防士人生に、心から期待しています。どうか、1日1日を大切に過ごしてください。そして何より——絶対に、無事に帰ってきてください。
よくある質問
Q. 新人のうちから「やりたい隊」を口に出しても大丈夫ですか?
A. 意思を持っておくこと自体は、とても大事です。ただ伝え方には気をつけたほうがいいです。「これだけやりたい、他には興味がない」という言い方をすると、教えてくれる先輩の意欲を削いでしまいます。全体には「何でも頑張ります」、本音は信頼できる先輩にだけ、が現実的だと思います。
Q. 先輩に嫌われるのが怖くて、何も言えません。
A. 言えなくても大丈夫です。僕自身、「分からない」と言うことすらできない人間でした。まずは、言われたことをきっちりやることに徹してください。それを続けていれば、必ず見ている先輩がいます。言えるようになるのは、そのあとで構いません。
Q. 「絶対に死なない」ために、新人が今できることは何ですか?
A. 特別なことではなく、教わった基本を省略しないことに尽きると思います。装備の確認、単独で動かないこと、体調が悪いときに隠さないこと。どれも当たり前ですが、慣れてきた頃に崩れやすい部分でもあります。詳しい安全管理は、必ず所属の教育と規程に従ってください。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
元消防士のトラックドライバー🧑🚒🚚


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