消防士がムカつく瞬間②|深夜の居酒屋からの救急要請、泥酔者の搬送の本音

零時の指令、場所は居酒屋。消防士がムカつく瞬間② 消防士のリアル

💡 この記事でわかること

  • 深夜に居酒屋から救急要請が入ったときの救急隊の本音
  • 泥酔者の搬送で、受け入れ病院が限られる理由
  • 急性アルコール中毒の救急搬送の多さと、自分のキャパを知る大切さ
  • 元消防士が、お酒でやらかさないために伝えたいこと

今回は「消防士がムカつく瞬間」の2つ目を、元消防士として本音で書いていきたいと思います。

僕は5年半、消防士として勤めたあと、今はトラックドライバーをしています。

今回も救急の話です。救急は件数が一番多いので、どうしても救急の話に傾いてしまいます。そこはご了承いただければと思います。

泥酔者の救急要請はどう始まる?|深夜0時、駅前の居酒屋から

0時、仮眠に入ろうとしたときの救急指令

僕がいた署では、0時から7時前くらいまでが仮眠時間でした。

救急隊も、0時になる頃には、そろそろベッドに入ろうと準備を始めます。

そのときです。

「救急指令、救急指令」

正直、その瞬間にイラッとしてしまいます。でも、仕事なので、これはもうしょうがないです。

指令場所は駅前の居酒屋|「酔っ払いだな」

指令が鳴ると、場所がバーンと指令台に出されます。

出た場所は、駅前の居酒屋でした。

この時点で、もう先が見えてしまうんです。

「酔っ払いだな」

出動前に、口に出す人もいます。絶対酔っ払いだろう、と。

案の定、泥酔して動けない方が横たわっていた

出動すると、案の定でした。

泥酔してしまって、眠ってしまって、動けない方が横たわっていました。

意識がないので、こちらとしてはもう運ぶしかありません。

呼ばれた以上、病院に運んで診てもらう。僕らには、そうするしかないんです。

一緒に飲んでいた友達もいて、事情を説明してもらいました。「すいません」と。飲み過ぎてしまう、というよくあるパターンです。

消防士が泥酔者の搬送にイライラする理由

隊長のイライラと荒くなる口調

この時点で、隊長はものすごくイライラしています。

どうしても、口調が荒くなってしまうんです。

「どんぐらい飲んだの?」

そういう聞き方になってしまう。

泥酔は自己責任の範疇だと思う

自分でお酒を飲んで、泥酔して、起きなくなってしまう。

これは、本当に自己責任の範疇でしかないと思います。

飲み過ぎたらいい結果にならない。先がわかっているのに、飲み過ぎて動けなくなってしまう。

怒られても仕方がないよな、という気持ちになってしまいます。

僕も人のことは言えない|消防学校のやらかし

ただ、僕も人のことは言えないんです。

以前の記事で書いたとおり、僕も消防学校時代に、お酒の席のあとでやらかしています。部屋でぶちまけてしまいました。

ただ、迷惑はかけてしまったけれど、度合いはあると思っています。自分で責任が取れる範囲だったかどうか、です。

吐き散らかした泥酔者と、答えられない聴取

その方は、トイレで吐き散らかしていました。

服もぐちゃぐちゃで、臭いもかなりきつい。

聴取をしないといけないのに、まったく答えられない。

隊長のイライラは、ここでマックスになりました。

泥酔者は病院に受け入れてもらえない?

救急に強い病院は、泥酔者を受け入れてくれない

ここからは、あまり表には出ない話だと思います。

病院には、いくつか種類があります。二次救急、三次救急というものです。

重篤な患者さんは、市民病院のような救急に強い医療センターに運びます。

でも、そういうところは、重篤な患者さん以外は受け入れてくれないんです。

なので僕らは、受け入れてくれやすい病院を選定して、そこに搬送します。

「これを教訓に」と冗談で言っていた病院の噂

僕らがそういう患者さんをよく運んでいた、ある病院の話です。

その病院が、保険がきかない部分で料金を高く取っている、という噂がありました。

なので、「これを教訓にしてもらおう」「痛い思いをして懲りてもらおう」と、冗談で言ったりしていました。

ただ実際は、そもそも受け入れてくれるところがそこしかないので、そこに電話をかけざるを得ないんです。

だから、指令場所に居酒屋が出たときは、こちらも身構えます。そして、ちょっと説教をかますような救急も、少なくはありません。

急性アルコール中毒で運ばれないために|自分のキャパを知る

自分のキャパを知っておく|急性アルコール中毒の搬送は年1万4千人超

僕から言いたいことは、一つです。

お酒は、飲み過ぎない。そして、「これ以上はやばいな」というところを、自分で知っておくことです。

そこまで行ってしまうと、本当に命の危険があります。

急性アルコール中毒で亡くなってしまう方は、少なくありません。そういう話を、僕はずっと聞いてきました。

調べてみると、東京消防庁の管内だけで、令和6年に急性アルコール中毒で救急搬送された人は1万4千人を超えていました。

泥酔するまで飲むのは、キャパとは言えない

キャパシティの見極めも大事です。

泥酔してしまうまで飲むのは、キャパとは言えないと個人的には思います。意識がなくなるくらいまで飲むのは、もう生と死の瀬戸際です。

意識がある程度のうちに、これ以上はやばいというところを、自分で見極めないといけません。

僕で言うと、この間の記事にも書きましたが、吐くくらいまで飲んだらダメだ、と決めています。吐くくらいまで飲んだ量が、自分の中の基準になると思っています。

僕は部屋でぶちまけてしまったので、コントロールできていませんでした。そこは説得力がないんですが。

お酒の席では、キャパがわからなくなる

お酒の席では、どうしてもみんな盛り上がってしまいます。キャパなんて考えられなくなる。

自分がどれだけ飲んだのかも、把握しづらくなります。

だからこそ、キャパを知っておくことを、強くおすすめします。新社会人の方や、これから消防士になる方には、特にです。

病院に運ばれたら、親にも連絡が行く

周りの人にも、迷惑をかけてしまいます。

病院に運ばれたら、親にも連絡が行きます。飛んできて、「お前何やっとんだ」と、絶対に怒られます。怒らない親はいないと思います。

友人にも迷惑がかかります。

僕の友達にも、飲み過ぎてしまった人がいました。「どうしよう、どうしよう」となって、家まで送っていったんです。たまたまルームシェアしている人がいたので、「様子を見ていてください」と引き継げました。運が良かっただけです。

お酒でやらかすのは、もったいない

ムカつくのは、共感できるから

最後に、余談です。

ムカつくのは、自分の中で共感できるからなんだと思います。

お酒の席が楽しくて、飲み過ぎてしまう。その気持ちがわかる。飲み過ぎて、収拾がつかなくなったことがある。

だからこそ、「なんでそこまで飲むんだよ」と思ってしまう。出動していても、イラッとしてしまう瞬間があるんだと思います。

お酒でやらかすのは、本当にもったいない

若い方には、特に伝えたいです。

お酒でやらかすのは、本当にもったいない。

そこで暴行事件でも起こしてしまったら、取り返しがつきません。前科がついて、懲戒免職。そういう最悪の事態になりかねません。

急性アルコール中毒で亡くなってしまうこともあります。

「少量なら体にいい」は本当か|WHOの声明

お酒は、害でしかないと僕は思っています。

少量なら体にいい、と言われますが、僕は嘘だと思っています。お酒を飲んだ次の日に体調が良かった日は、1回もありません。

何か裏があるんじゃないかと思ってしまうくらいです。確証はありませんが。

調べてみると、WHOも2023年に「健康に影響しない安全な飲酒量はない」という声明を出していました。

吐くまで飲むのは、やめてほしい。救急隊のやる気も、削がれてしまいます。個人的には、本当にそう思います。

▼消防士がムカつく瞬間①は、こちらです

消防士の報告書はなぜ大変?種類・差し戻し・印鑑リレーの実態(ムカつく瞬間①)

▼消防学校でお酒でやらかした話は、こちらに書きました

消防学校の飲み会はきつい?水曜外出の実態と、酒でやらかした体験談を元消防士が解説

▼お酒が飲めなくても大丈夫か、という話はこちらです

消防士はお酒が飲めないと不利?飲み会の実態を元消防士が解説

よくある質問

Q1. 酔っ払いでも救急車で運んでもらえますか?

意識がなく動けない状態なら、救急隊は呼ばれた以上、病院に運んで診てもらうしかありません。ただ、救急に強い病院は重篤な患者さん以外を受け入れないことが多く、受け入れてくれる病院を探すことになります。

Q2. 急性アルコール中毒で救急搬送される人は多いですか?

東京消防庁の発表では、管内だけで令和6年に1万4千人を超える人が、急性アルコール中毒で救急搬送されています。命に関わることもあります。

Q3. 飲み過ぎないためには、どうすればいいですか?

自分のキャパを知っておくことです。僕は、吐くくらいまで飲んだらダメだと決めています。お酒の席では盛り上がってキャパがわからなくなるので、事前に基準を決めておくのがおすすめです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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