消防学校の飲み会はきつい?水曜外出の実態と、酒でやらかした体験談を元消防士が解説

消防学校の飲み会で一升瓶を持たされる若い消防士のイラスト 消防士のリアル

💡 この記事でわかること

  • 消防学校の「初任科」と「救急科(救急標準課程)」の違い
  • 消防学校の水曜外出と、飲み会が実際どうだったか
  • 先輩の「もっと飲め」を断れなかった結果どうなったか(実体験)
  • 救急科の解剖見学実習という、翌日に待っていた地獄
  • これから消防士になる人が、お酒で気をつけるべきこと

「消防士の飲み会って、やっぱり激しいの?」

「お酒が飲めないと、消防ではやっていけない?」

消防士を目指している方から、よくいただく質問です。

今回は一般論ではなく、僕自身が消防学校でやらかした話を書きます。5年半の消防士人生で、いちばん恥ずかしい思い出。人生最大の黒歴史です。

正直、書くかどうか迷いました。でも、同じことをする人が一人でも減るなら書いた方がいいと思ったので、全部書きます。

消防学校とは?初任科と救急科(救急標準課程)の違い

先に前提を整理しておきます。

消防学校に入るのは、一度ではありません。

最初に入るのが初任科。ここで消防士としての基礎を叩き込まれます。そして初任科を終えて現場に出て、ある程度の実務経験を積んだあと、救急車に乗るための資格を取りに、もう一度消防学校に入ります。

僕らはこれを救急課程と呼んでいました。ただ、正式名称は「救急科」です。総務省消防庁が定める「消防学校の教育訓練の基準」にある専科教育の一種別で、通称は救急標準課程。250時間以上、期間にしておよそ2か月の教育になります。

今回の話は、この救急科で起きた事件です。

救急科は気が緩む|初任科との決定的な違い

この話の背景として、ここが大事なところです。

救急科で入校すると、同じ学校の中に初任科生がいます。 つまり自分は、彼らから見れば先輩という立場になります。

しかも教官は、夜になれば帰ってしまいます。夜の学校の中では、自分たちがいちばん上になる。

そのうえ教官の締め付けも、初任科生ほど厳しくありません。 初任科生には細かく言うけれど、課程の学生にはそこまでうるさく言わない。そういう空気がありました。

寮生活ではあるものの、初任科時代とは比べものにならないくらい気持ちに余裕がある。ハメを外しやすい状況だったということは、想像していただけると思います。

消防学校の水曜外出とは?外出できる日とルール

消防学校は土日が休みです。そして入校中でも、水曜日だけは外に出ていいという決まりがありました。

これを水曜外出と言います。何時までに帰ってきなさいというルールはありますが、夜は外に出られる。

外出しない人もいますが、たいていの学生は出ていきます。ご飯を食べに行ったり、名古屋の方まで足を延ばして少し遊んできたり。

そして初任科生と違って、こちらはある程度年数がいっている社会人です。遊びもそれなりに経験している。だから、ハメの外し具合が初任科時代とは全然違うんです。

そこに消防特有のノリが合わさると、どうなるか。どんちゃん騒ぎになります。

消防学校の飲み会は実際どうだった?出禁の店があった話

面白い話ではないのですが、事実として書いておきます。

消防学校の近くの居酒屋には、出禁になっている店がいくつもありました。

過去の先輩たちが何かをやらかして、出入り禁止になってしまった店です。だから僕らの代にも「あそこには行かないでください」というアナウンスがありました。消防学校の学生は来てはいけない、というルールが、すでに出来上がっていたわけです。

……その前提で、この先を読んでください。

30分で、すでに4杯

ある日の飲み会でした。

その日は、ある中華料理屋さんです。飲み放題・食べ放題の店でした。

僕もそのどんちゃん騒ぎのノリに流されてしまって、最初の30分くらいで、すでにビールを3〜4杯。そこにチューハイを軽く1杯。

合計で4〜5杯です。

正直に書きますが、4杯といえば、僕はもうベロンベロンです。 自分でも「もうそろそろだな」と思っていました。

「もっと飲め」は断れる?当時の僕が断れなかった理由

そこに、先輩が来ます。

消防学校の中にも、自分より年数が上の人がいます。その先輩が後ろから、こう言うわけです。

「もっと飲めよ」「俺も飲むから」

ここで、僕のダメなところが出ました。

当時の僕は、これをあまり断れない人間だったんです。

出てきたのは、日本酒の一升瓶でした。「一升瓶、開けるぞ」というノリです。

そして僕は、その一升瓶の半分を、一気飲みしました。

さらにその場のノリで、焼酎のロックをコップ1杯。

……そこから先の記憶は、あまりありません。

酒でやらかした体験談|部屋で盛大に吐いた夜

大人数の食事だったので、帰りはバスで送ってもらうことになっていました。

バスに乗った時点で、もう気持ち悪い。それを必死に抑えて、なんとか学校まで帰ってきました。

そのときは「めちゃくちゃ酔ってるけど、まあ大丈夫だろう」と思っていたんです。

部屋に戻るや否や、気持ち悪くてしょうがない。「寝れば良くなるだろう」と思って横になりましたが、案の定、まったく良くならない。

「これはやばい、吐くかもしれない」 と思って、とりあえずトイレに行こうと立ち上がった、その瞬間でした。

盛大に、やってしまいました。

部屋中が、吐瀉物まみれです。食事もかなりの量を食べていて、お酒もかなりの量を飲んでいたので、本当にとんでもない量が散乱しました。

6人部屋で嘔吐|班員にかけた迷惑と、廊下に充満した匂い

ここがいちばん申し訳なかったところです。

班は6名。6人部屋です。

吐いてしまった瞬間は、もう何が何だか分かっていませんでした。ただ、迷惑をかけてしまったという思いだけは、今でも残っています。

しかもその直後、点呼が始まりました。「全員いるか」という確認です。僕はその間、ずっと自分の吐瀉物の処理をしていました。

さらに間の悪いことに、その日は雨が降っていて、窓を閉め切っていたんです。

結果どうなったか。匂いが、廊下中に充満しました。

「めっちゃくせえな」と言いながら、みんなが鼻を押さえている。その光景が、今でも見えます。

処理をしている間もずっと気持ち悪くて、トイレでもう1回吐くかもしれないという状態のまま、水を飲みながら、なんとかしのぎました。人生でいちばん後悔した夜です。

最後は、班のみんなが協力してくれました。 もちろん、嫌な顔はしていました。当たり前です。僕がやらかしたことなのに、みんなが手を動かしてくれた。本当に申し訳なかったと思いながら、消毒までやりきりました。

救急科の解剖見学実習|翌日に待っていたホルマリンと2日酔い

ここからが、罰のような話です。

次の日は、医科大学での研修でした。ご遺体を使わせていただく、解剖の見学実習です。

先に正確に書いておきます。僕らがメスを入れたわけではありません。 執刀するのは医学生の方で、僕らがさせていただいたのは見学です。

ただ、見るだけでは終わりませんでした。実際に、触らせていただきました。

心臓、筋肉、骨、関節、臓器。教科書の図でしか見たことのなかったものを、この手で確かめさせてもらう。救急の資格を取るうえで、これ以上ない勉強です。

念のため書き添えると、これが全国の救急科に共通して組まれているわけではないようです。調べてみると、座学の解剖生理だけで大学には行かない消防学校もあります。あくまで僕のときは、という話として読んでください。

そして僕は、見事に2日酔いでした。

ご検体を見ることも、触れさせていただくことも、それ自体はなんともありませんでした。問題は、匂いです。

ご遺体は、ホルマリンやアルコールを混ぜた固定液で保存されています。大腿動脈から血管を通して注入し、全身を固定するそうです。

正しくお伝えしますが、このホルマリンの匂いが、本当にきついんです。

2日酔いの体には、これが効きました。何度も吐きそうになりました。

救いは、胃に何も入っていなかったことです。前日に全部出してしまっていたうえに、食欲がなくて朝食もほとんど食べていなかった。吐くものが、もう何も残っていなかったんです。

よく耐えたな、と自分でも思います。

この失敗で得たもの|自分の限界を知るということ

こんな話ですが、得たものもあります。

自分のキャパシティを、はっきり知ることができました。

何をどれだけ飲んで、どうなったのか。あの日のことは、今でも鮮明に覚えています。だから「これ以上飲むと危険だ」という自分の限界値が、あの日ではっきり分かりました。

一度、自分の限界を知っておくことは、悪いことではないと思います。「これ以上飲んだらやばい」と察知できるようになることは、大人として必要なことです。

ただ、その限界の知り方が、僕の場合は最悪だったというだけの話です。

飲み過ぎの本当のリスク|急性アルコール中毒・盗難・暴行

最後に、いちばん伝えたいことを書きます。

僕がやったことは、実はまだ可愛い方なんです。

部屋の中で吐いて、班員に迷惑をかけて、廊下中に匂いを漂わせた。恥ずかしいし、最低です。でも、それで済みました。

世の中には、こういうことが起きています。

  • 繁華街で飲み過ぎて泥酔し、動けなくなって急性アルコール中毒で運ばれ、帰らぬ人になってしまう
  • 意識はあっても、財布や貴重品を盗まれてしまう
  • 酔い過ぎて誰かを暴行してしまい、警察沙汰になって、それが職場に伝わって退職させられる

お酒の席には、こういうリスクが確実にあります。これで済んで良かった。 今でも本当にそう思っています。

消防士を目指す人へ|飲めないなら「飲めない」と言っていい

そしてもう一つ。

本当にお酒が飲めない人は、中にいます。

そういう人が無理をして飲んで、急性アルコール中毒になることが実際にあります。

だから、飲めないなら「飲めません」と伝えるのが一番です。 それが自分を守る方法です。

これから消防士になる方、消防士に限らず社会人になりたての方。お酒には、十分に気をつけてください。

飲んでも、飲まれないように。

よくある質問

Q. 消防士は、お酒が飲めないと不利になりますか?

A. なりません。飲めることが評価につながる場面は、実際にはありませんでした。信頼は普段の仕事の姿勢と、日々のコミュニケーションで積み上がるものです。飲みっぷりが良くても、得られるのは「面白いやつ」という評価だけです。

Q. 消防の飲み会は多いですか?

A. 他の業種と比べれば、多少は多いと思います。体育会系の組織なので、そこは否定しません。ただし雰囲気は消防本部によってかなり違います。すごく体育会系のところもあれば、意外とゆるいところもあります。

Q. 先輩に「飲め」と言われたら、断れますか?

A. 断れます。今はパワハラにうるさい時代で、上司もそこはわきまえています。「1〜2杯で体に異常が出てしまうんです」と伝えれば十分です。おすすめは、1年上・2年上の近しい先輩に先に言っておくこと。その場でノリが起きたときに、間に入って止めてくれます。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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